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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】プラマテルズは調整の最終局面、16年3月期営業増益・増配予想で割安感を見直し
- 2015/10/8 06:55
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
プラマテルズ<2714>(JQS)は合成樹脂の専門商社である。株価は8月の直近安値に接近して下げ渋る動きだ。調整の最終局面のようだ。16年3月期営業増益・増配予想であり、8倍近辺の低PER、0.5倍近辺の低PBR、3%台の高配当利回りという割安感を見直して切り返しのタイミングだろう。
■双日グループの合成樹脂専門商社、高付加価値商材を拡販
双日<2768>グループで、プラスチック原材料・製品・関連機器の専門商社である。エンジニアリング系樹脂、スチレン系樹脂を主力として、オレフィン系樹脂、塩化ビニール系材料なども取り扱っている。
需要先はOA・事務機器、光学機器を主力として、家電・電子、医療機器、建材、自動車、容器・化粧品、玩具・その他と幅広い。原材料メーカーと販売先を繋ぐ高い提案営業力を強みとしている。
高付加価値商材の拡販、良質な商権を持つ優良会社の営業権取得やM&Aを積極化するとともに、海外は中国、ベトナム、フィリピン、タイ、インド、台湾などアジア地域に積極展開している。中期戦略では17年3月期に向けた目標として経常利益10億円、自己資本比率30%維持、安定配当の継続を掲げている。
■四半期別推移は堅調
なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)138億45百万円、第2四半期(7月~9月)141億23百万円、第3四半期(10月~12月)146億70百万円、第4四半期(1月~3月)143億99百万円、営業利益は第1四半期1億86百万円、第2四半期2億02百万円、第3四半期2億16百万円、第4四半期1億94百万円だった。堅調な推移だ。
また15年3月期の配当性向は26.2%だった。ROEは14年3月期比2.2ポイント上昇して6.1%、自己資本比率は同3.9ポイント上昇して34.4%となった。配当政策については、将来の事業展望(海外展開およびM&A)と経営基盤・財務基盤の強化のため必要な内部留保を確保しつつ、安定的な配当の継続を実施していくことを基本方針としている。
■16年3月期営業増益・増配予想
今期(16年3月期)の連結業績予想(4月28日公表)は売上高が前期比4.3%増の595億円、営業利益が同2.7%増の8億20百万円、経常利益が同2.5%増の8億円、純利益が同横ばいの4億90百万円としている。配当予想は同1円増配の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)で予想配当性向は27.9%となる。
高付加価値商材の好調が牽引して増収、営業増益予想だ。なお想定為替レートは1米ドル=120円(15年3月期は1米ドル=105円88銭)としている。
第1四半期(4月~6月)は売上高が前年同期比5.3%増の145億77百万円、営業利益が同6.5%増の1億98百万円、経常利益が同5.1%増の1億90百万円、純利益が同7.1%増の1億30百万円だった。高付加価値商材が堅調に推移し、円安も寄与して海外売上高が同18.6%増の52億85百万円の大幅増収だった。売上総利益率は6.0%で同0.2ポイント上昇した。
主要商材の売上高はエンジニアリング系樹脂が同10.5%増の68億87百万円、スチレン系樹脂が同1.6%減の29億06百万円、オレフィン系樹脂が同6.4%減の14億52百万円、塩化ビニール系材料が同10.4%増の6億38百万円、製品(合成樹脂関連他)が同14.7%増の22億02百万円だった。
通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が24.5%、営業利益が24.2%、経常利益が23.8%、純利益が26.5%と概ね順調な水準である。世界的に景気減速懸念を強めているが、グループ全体の連携強化や海外拠点の有機的活用で、得意先である海外進出日系企業に対して顧客密着型の営業を強化する。通期ベースで増収増益基調に変化はなく、中期的にもアジア地域への積極展開で収益拡大基調が期待される。
■株価は8月の直近安値に接近して下げ渋り、調整の最終局面
株価の動きを見ると、再び水準を切り下げてやや軟調展開だが、8月の直近安値442円に接近して下げ渋る動きだ。調整の最終局面のようだ。
10月7日の終値461円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円32銭で算出)は8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は3.5%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS998円75銭で算出)は0.5倍近辺である。なお時価総額は約39億円である。
週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んだが、長い下ヒゲをつけた8月の直近安値に接近して下げ渋る動きだ。調整の最終局面のようだ。16年3月期営業増益・増配予想であり、8倍近辺の低PER、0.5倍近辺の低PBR、3%台の高配当利回りという割安感を見直して切り返しのタイミングだろう。