【注目銘柄】カナモトは上ぶれ着地の2Q業績が市場予想を上回り割安修正買いが再燃

注目銘柄

■能登半島地震復旧工事や半導体工場建設で建機レンタル需要拡大へ

 カナモト<9678>(東証プライム)は、前日10日に424円高の2989円と急反発して引けて東証プライム市場の値上り率ランキングのトップに躍り出るとともに、取引時間中には3015円まで買われ1月4日につけた年初来高値3045円に肉薄した。前週末7日大引け後に発表した今2024年10月期第2四半期(2023年11月~2024年4月期、2Q)累計業績が、期初予想を上ぶれて2ケタ増益で着地し、市場コンセンサスを上回ったことから割安修正買いが再燃した。能登半島地震の復興工事や九州・北海道地方で半導体工場の建設が続いていることも、建機レンタルの需要拡大につながるとしてフォローの材料視されている。

■レンタル資産の適正配置を進めレンタル単価の適正化も続く

 2Q累計業績は、売り上げ1006億8100万円(前年同期比3.6%増)、営業利益61億8800万円(同16.2%増)、経常利益64億5600万円(同17.6%増)、純利益36億2300万円(同23.9%増)と連続増収・増益転換して着地し、利益は、期初予想を4億8800万円~2億2300万円上回った。建設資材やエネルギー価格が高止まりし労務費も上昇する厳しい事業環境下、公共投資が堅調に推移し民間設備投資も持ち直しており、レンタル用資産の適正配置とレンタル単価の適正化を進め、建設機械部門の売り上げが908億1500万円(同2.9%増)、営業利益が54億5000万円(同20.9%増)と好調に推移したことが要因となった。

 今10月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ2053億円(前期比4.0%増)、営業利益141億円(同17.9%増)、経常利益143億円(同14.5%増)、純利益83億円(同23.5%増)と連続増収・増益転換を見込んでいる。配当は、年間75円(前期実績75円)と安定継続を予定している。

■PER12倍、PBR0.8倍の修正で2019年12月高値が次の上値フシ

 株価は、前期業績が建設コスト上昇や半導体不足で伸び悩んだことから下値調整が続き、昨年12月に発表した今10月期業績の増益転換予想で2934円高値まで買われ、今年1月1日に発生した能登半島地震に対する復旧・復興需要期待で昨年来高値3045円へ上値を伸ばした。同高値後は、今期第1四半期業績の伸び悩みで2500円台まで調整し、足元では全般相場の波乱展開の波及で年初来安値2530円をつけた。同安値から大きく底上げしたが、PERはなお12.7倍、PBRは0.80倍、配当利回りは2.50%と割安である。年初来高値を上抜き、次の上値フシとして2019年12月9日につけた3340円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る