【どう見るこの相場】日経平均、日米経済の強さを改めて見直す展開へ
- 2014/12/17 16:36
- どう見るこの相場
■金融不安はほぼ一巡
<Q>久しぶりに日経平均は反発したが底は入ったか。
<A>17日(水)の日経平均は136円高の1万6891円まであって終値では64円高の1万6819円と3日ぶりに反発した。ただ、前日までの2日間で計616円下げた(終値)ことに比べると戻りは鈍い。それに、TOPIX及びJPX日経400は安く、日経平均採用の一部の銘柄が戻しているという印象だ。まだ、下値模索の相場だろう。
<Q>ロシアの金融不安が報道されているが。
<A>足の速い短期マネーが危険を察知して逃げ出すのは当然だろう。ただ、今のロシアは1989年の危機とは違って外貨準備は持っているから大袈裟なことにはならないだろう。金融不安で危ないと言われ続けてきた欧州でさえもなんとか持ちこたえている。
<Q>ここ何年かで金融不安が世界を一周した印象だ。
<A>その通りだと思う。日本のバブル崩壊から始まった金融不安はリーマンショックのアメリカ、欧州、新興国、そして今回のロシアと、「金融不安」はほぼ世界を一周した。金融不安というマネー逃避が一巡したあとに来るのは実体経済の停滞であり、ここを世界がどう乗り越えていくかが注目される。さらに、もう一点、経済大国の「中国」がどうなるかが大きい注目点となってくるだろう。
<Q>日本とアメリカは優位ということか。
<A>日本は土地バブルの崩壊、アメリカは金融バブルの崩壊を経験し乗り越えてきただけに足腰はしっかり鍛えられ健康体といえる。ただ、アメリカも日本も世界へモノやサービスを売っているわけだから、いくら健康体になったといっても、いつまでも世界が不況ということは喜ばしいことではない。
<Q>今後の相場は。
<A>ロシアの当面の金融不安は織込んだように思われる。中国もこのままバブル崩壊に陥ることなく軟着陸が進むようなら日米のマーケットは盛り返してくるだろう。とくに、日本はバブル崩壊の大苦境から安倍政権のもとで日本再生に取り組んでいるわけだ。多くの世界各国が経済下降に見舞われている中で日本は上向きという明るさのあることは大いに注目される点だろう。師走相場を期待していた短期マネーがアテ外れで処分売りしたため新春相場からは新たなスタートを迎えることができると思う。