【どう見るこの株】シンカは1Qの最高売り上げ、営業大幅増益を手掛かりに下げ過ぎ修正買いも一考余地
- 2024/6/14 08:21
- どう見るこの株
シンカ<149A>(東証グロース)は、前日13日に25円安の894円と5営業日続伸して引け、5月15日につけた上場来安値860円を覗いた。同社株は、今年3月27日に新規株式公開(IPO)され、その上場来安値からは初決算として5月15日に発表した今2024年12月期第1四半期(2024年1月~3月期、1Q)業績の売り上げの四半期業績としての過去最高、営業利益の大幅増益を手掛かりに1080円までリバウンドしほぼ往って来いとなっているものだが、この日の取引時間中には921円と買われる場面もあり、リバウンドの再現を期待して安値での打診買いも交錯した。テクニカル的にも、足元の900円台割れで踏み止まれば、上場来安値860円をボトムにトリプルボトムを形成し底打ちを示唆することにもなり、下げ過ぎ修正買いも一考余地がありそうだ。
■新規オプションのリリースで拠点数が前年同期比21%増と大幅続伸
今期1Q業績は、売り上げ2億9100万円(前年同期比22.0%増)、営業利益2200万円(同44.1%増)、経常利益100万円(同92.8%減)、純利益300万円の赤字(前年同期は1500万円の黒字)と増減マチマチとなった。同社は、コールセンター業務を一括管理してDX(デジタルトランスフォーメーション)化するコミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」を主力事業としており、1Qに同サイトにLINE WORKSとLINEとに連携する新規オプションもリリースし、アクティブユーザー数が、前期末比74社増の2676社(前年同期比8.6%増)、拠点数が289拠点増の4797拠点(同21.0%増)に拡大し、APRA(単価)の増加施策を強めたことから、売り上げは四半期として過去最高を更新し、営業利益も大幅増益となった。経常利益は、上場関連費用や事務所移転費用などの一過性の営業外費用のため減益となり、純利益は、税金費用を計上した関係で小幅赤字となった。
今12月期通期業績は、IPO時予想に変更はなく売り上げ13億5300万円(前期比30.1%増)、営業利益1億7100万円(同69.4%増)、経常利益1億5100万円(同54.5%増)、純利益1億3300万円(同22.8%増)と大幅増収増益を見込んでいる。
■トリプルボトム形成をテコにまず戻り高値の1000円大台へ再チャレンジ
株価は、公開価格1320円を26%強上回る1671円で初値をつけ上場来高値1912円まで買い進まれたが、IPOラッシュや東証グロース市場の人気離散などが響いて公開価格を割って下値調整し、上場来安値860円からは今期1Q売り上げの過去最高、営業大幅増益を手掛かりに1080円までリバウンドし、戻り売りに押されて894円まで再調整してきた。テクニカル的には上場来安値860円をボトムにトリプルボトム(逆三尊底)を形成間近など底打ちを示唆し、PERも20.3倍と相対的に割り負けており、安値買いからまず戻り高値の1000円大台回復に再チャレンジし、公開価格クリアを目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)