■政府の周知・啓蒙は不十分?消費拡大が企業の負担軽減につながるのか
帝国データバンクが発表した緊急調査によると、定額減税に関する企業の事務負担感は約7割の企業が「負担感がある」と回答している。調査は2024年6月7日から11日にかけて実施され、998社が回答を寄せた。定額減税は2024年分の所得税および個人住民税について特別控除を行うもので、企業には給与明細への減税額明記が義務付けられている。この新たな事務作業が企業の負担増となっている。
企業規模別に見ると、大企業は68.3%、中小企業は66.6%、小規模企業は62.6%が負担感を感じており、特に小規模企業は比較的負担感が少ないと捉えていることがわかった。これは給与処理を外部に委託しやすいことが理由と考えられる。また、多くの企業が事務負担軽減のため、年末調整や一括給付の導入を求めている。
政府は定額減税の周知・啓蒙のために特設サイトやコールセンターを設置しているが、これが企業の負担軽減につながっているかは不透明である。ただし、定額減税が消費の拡大に寄与すれば、企業の負担感も軽減される可能性があると期待されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)