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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォメーションクリエーティブは調整一巡感、16年9月期も増収増益基調期待
- 2015/10/9 06:51
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
インフォメーションクリエーティブ<4769>(JQS)はソフトウェア開発を中心にソリューションサービスを提供している。株価は9月の戻り高値から反落したが、8月安値まで下押す動きは見られず調整一巡感を強めている。16年9月期も増収増益基調が期待され、マイナンバー制度関連やサイバーセキュリティ関連も注目点だ。反発展開だろう。
■ソフトウェア開発を中心にソリューションサービスを提供
ソフトウェア開発事業、システム運用事業、その他事業(パッケージ開発・販売)を展開し、顧客に常駐する型で情報サービス分野における総合的なソリューションサービスを提供している。
顧客別に見ると日立システムズや日立ソリューションズなど、日立製作所<6501>グループ向けが全体の約6割を占めて収益源となっている。
なお営業体制の効率化を図るため10月1日付でITソリューション事業部に営業本部を新設し、これに伴って営業本部にパートナー推進部も新設した。
■アライアンス戦略も積極化
15年5月には、CNプレイガイドを運営してチケッティングに関するソリューションサービスを提供するコミュニティ・ネットワーク(東京都)と、エンターテイメント市場に特化したチケッティングソリューションサービス事業領域において包括的業務提携した。
提携第1フェーズとして、当社の「チケット for Windows」とコミュニティ・ネットワークの「CNシステム」をシステム連動させた新たなチケット販売・管理ASPサービス「チケットGATE」の提供を開始する。座席登録、票券管理から発券・決済までチケット販売に関わるすべての業務を一本化して、全国のコンビニ約2万9000拠点を利用できる新チケッティングソリューションシステムだ。
さらに提携第2フェーズとして、チケット販売額の適正化・収益の最大化をサポートするイールドマネジメントシステムなど、多様化するチケット販売方法に適応する次世代型チケッティングシステムの開発を推進する。
■15年9月期増収増益予想、16年9月期も増収増益基調を期待
前期(15年9月期)非連結業績予想(11月7日公表)は売上高が前々期比10.1%増の71億34百万円、営業利益が同17.1%増の4億05百万円、経常利益が同14.4%増の4億37百万円、純利益が同2.8倍の2億76百万円としている。配当予想は前々期と同額の年間24円(期末一括)で予想配当性向は33.3%となる。
大型のIT関連投資案件が見込まれる金融機関向け、マイナンバー制度関連のシステム整備案件が見込まれる官公庁向けを中心として、ソフトウェア開発の需要が拡大する見通しだ。利益面では増収効果に加えて、前期の一部案件の作業超過発生の影響一巡も寄与する。純利益は前期計上の特別損失(ソフトウェア減損および投資不動産減損)一巡も寄与する。
第3四半期累計(10月~6月)は、売上高が前年同期比4.9%増の50億08百万円となり、営業利益が同8.4%増の2億28百万円、経常利益が同15.0%増の2億75百万円、純利益が同65.1%増の1億39百万円だった。経常利益は保険解約返戻金の増加、純利益は減損損失の一巡も寄与した。
四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(10月~12月)15億97百万円、第2四半期(1月~3月)18億22百万円、第3四半期(4月~6月)15億89百万円で、営業利益は第1四半期72百万円、第2四半期1億49百万円、第3四半期7百万円だった。
通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が70.2%、営業利益が56.3%、経常利益が62.9%、純利益が50.4%である。やや低進捗率の形だが第4四半期(7月~9月)の挽回が期待される。
来期(16年9月期)についても高水準のIT関連投資が追い風であり、マイナンバー制度関連の本格化も寄与して増収増益基調が期待される。
■長期ビジョンで100億円企業、東証2部上場を目指す
13年11月発表の新中期経営計画(14年9月期~16年9月期)では、基本戦略としてソフトウェア開発・システム運用などのITソリューション事業の安定成長、自社パッケージ開発・販売のITサービス事業の成長加速、強固な人材・組織基盤の構築を推進している。
経営目標値は16年9月期売上高80億円(ITソリューション事業76億円、ITサービス事業4億円)、売上高経常利益率8.0%を掲げ、長期ビジョンでは100億円企業、東証2部上場を目指している。中期的に収益拡大が期待される。
■株価は9月の戻り高値から反落したが調整一巡感
株価の動きを見ると、9月8日の戻り高値1369円から反落して調整局面だ。ただし8月25日の直近安値870円まで下押すことなく、1000円近辺で推移して調整一巡感を強めている。
10月8日の終値992円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS72円13銭で算出)は13~14倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は2.4%近辺、実績PBR(第3四半期末実績のBPS927円02銭で算出)は1.1倍近辺である。時価総額は約38億円である。
週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んだが、8月安値まで下押す動きは見られず調整一巡感を強めている。16年9月期も増収増益基調が期待され、マイナンバー制度関連やサイバーセキュリティ関連も注目点だ。反発展開だろう。