【マーケットセンサー】パリ五輪は新種目の活躍が鍵、スケートボード人気に続きブレイクダンスに注目

■戦争の影響下での開催も平和の祭典としての盛り上がりに期待

 パリ五輪は、ヨーロッパのウクライナとパレスチナの二つの戦場が続く中での開催となる。さらにフランスでは、下院総選挙が終わったばかりであり、マクロン大統領の動向にも注目が集まるだろう。「平和の祭典」としての盛り上がりが期待されるが、現実には懸念材料が多い。ただし、東京五輪でも感動を呼んだ競技があった。特にスケートボードは、新種目として注目され、日本選手のメダルラッシュや選手同士のリスペクトが大きな感動を生んだ。

 東京五輪でのスケートボードの成功は、株式市場にも影響を与えた。衣料商社のモリト<9837>(東証プライム)はスケートボードやサーフボードのグッズを扱っており、五輪後に業績を上方修正し増配した。株価も徐々に上昇し、現在では1500円台に達している。スケートボードはパリ五輪でも継続して実施される予定であり、その影響が注目される。

 パリ五輪の成功には、新採用の新種目の動向が重要である。その中でもブレークダンス(ブレーキン)が注目されている。1970年代の米国ニューヨークでギャングの抗争をダンスで解決するために生まれ、世界中に広まったこの競技は、日本でもプロリーグが活動しており、世界選手権で優勝する日本選手もいる。ブレーキン人気が高まれば、パリ五輪全体が株価材料として注目されるだろう。スポンサー企業やメダル候補選手が所属する企業、スポーツ関連株、パリ五輪を生中継するテレビ株やスポーツパブ株などに注目し、7月26日の開会式に備えたい。

■パリ五輪関連株の動向

 パリ五輪のライブ中継を行うテレビ株は、金メダル獲得が期待される種目を中心に注目されている。放映時間が深夜帯となることは視聴率に影響を及ぼす可能性があるが、メダル獲得による再放送の視聴率アップも期待される。主要な放送局であるフジ・メディア・ホールディングス<4676>(東証プライム)、TBSホールディングス<9401>(東証プライム)、日本テレビホールディングス<9404>(東証プライム)、テレビ朝日ホールディングス<9409>(東証プライム)は、PERが10倍台と割安であり、PBRも1倍台を割っている。また、スポーツパブのハブ<3030>(東証プライム)も関連銘柄として注目されている。

 一方、パリ五輪のパートナー企業も、露出度の増加を通じて関連性をアピールしている。ワールドワイドスポンサーにはブリヂストン<5108>(東証プライム)、パナソニック ホールディングス<6752>(東証プライム)、トヨタ自動車<7203>(東証プライム)が名を連ね、チーム・ジャパンのゴールド・パートナーにはENEOSホールディングス<5020>(東証プライム)、三井物産<8031>(東証プライム)、東京海上ホールディングス<8766>(東証プライム)、アシックス<7936>(東証プライム)が選ばれている。オフィシャル・パートナーには味の素<2802>(東証プライム)、パーク24<4666>(東証プライム)、久光製薬<4530>(東証プライム)が、オフィシャル・サポーターには丸大食品<2288>(東証プライム)、東武鉄道<9001>(東証プライム)、JAL(日本航空)<9201>(東証プライム)、ANAホールディングス<9202>(東証プライム)が選ばれており、これらの企業は五輪を通じてのブランド価値向上を狙っている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る