【株式市場特集】株主優待制度関連株、梅雨空模様にもかかわらず「晴れ間銘柄」として存在感を発揮!

■優待利回り高配当銘柄、優待常連銘柄も要チェック

 今週の当コラムでは、株主優待制度関連株に注目することとした。クラダシ以降に優待制度を発表した関連株、もともと優待制度の利回りが高い銘柄、優待制度の常連株などをスクリ-ニングをすると、業種、値ごろ、上場市場を問わずバラエティの富む有望銘柄として浮上することになった。このまま全般相場が、梅雨空模様を強めるようならかえって「晴れ間銘柄」として存在感を主張し、ところどころ空梅雨示唆の「青雲」となる展開も期待したい。

■クラダシ以降の発表銘柄には優待利回りが配当利回りを上回るケースも

 クラダシ以降に株主優待制度の新設や変更(拡充)を発表した銘柄は、前週末21日大引け後のオリジナル設計<4642>(東証スタンダード)、fantasista<1783>(東証スタンダード)までおよそ14銘柄を数える。そのなかで株価感応度がクラダシ、メディア工房に次いで高かったのがディ・アイ・システム<4421>(東証スタンダード)、日本トリム<6788>(東証プライム)で、初期反応は窓を開けて急伸しその後ほぼ往って来いとなったのが売れるネット広告社<9235>(東証グロース)、アスモ<2654>(東証スタンダード)、トップカルチャー<7640>(東証スタンダード)などとなっている。ディ・アイ・システムは、QUOカード1000円分を贈呈する優待策で優待利回りは1.11%となり今9月期の年間配当24円の増配をプラスすると合計配当利回りは3.79%に高まる。アスモは、300株以上保有の株主に松阪牛カレーなど3600円を贈呈することになったおり、優待利回りは2.83%と今期配当利回り2.35%より高い。またダブルエー<7683>(東証スタンダード)の優待商品は、同社販売の靴2足で最大2万7600円となり優待利回りは12.41%の計算である。クロスフォー<7810>(東証スタンダード)は、1000株以上の株主を対象にクーポン券1万円分を贈呈し、優待利回りは4.40%となる。

 クラダシ以前の直近の5月に優待制度の新設を発表した銘柄にも有望銘柄がある。東北銀行<8349>(東証スタンダード)の優待制度は、定期預金に年間0.2%の金利を上乗せし、アイスコ<7698>(東証スタンダード)は、ハーゲンダッツのギフト券4枚となっており、日銀の金利引き上げ、猛暑などに関連する時流性、話題性がある。またトラストホールディングス<3286>(東証グロース)は、300株以上保有の株主に九州の特産品8000円相当を贈呈するが優待利回りは2.65%、配当利回り合計で4.25%に高まる。イー・ガーディアン<6050>(東証プライム)は、今9月期の小幅下方修正とバーターで配当方針変更による増配と株主優待制度新設を発表した。優待制度は100株以上の株主に5000円分のQUOカードを贈呈するもので優待利回りは2.57%、配当利回りとの合計では4.16%に高まる。

■優待ランキングの上位銘柄にも波及し常連銘柄には待ち伏せ買い余地も

 優待利回りランキングの上位に位置する銘柄にも好波及が期待される。VTホールディングス<7593>(東証プライム)は、新車・中古車購入時利用優待券3万円と車検時利用優待券1万円を贈呈するが、これだけで優待利回りは81.1%となる。日産自動車<7201>(東証プライム)も、株主が日産車新車を購入するとデジタルカタログギフト1万円をプレゼントし優待利回りは18.4%になり、長谷工<1808>(東証プライム)も、100万円以上のリフォーム工事代金を3%割り引く優待制度も含んでいるが、これも17.2%の優待利回りとなる。このほか自社製品クーポン券贈呈のバロックジャパン<3548>(東証プライム)は9.83%、リーガル<7938>(東証スタンダード)も6.56%となる。

 株主優待制度の常連銘柄も要マークだろう。優待制度の権利付き最終日に向け、権利取りで株価が上向く銘柄である。オリエンタルランド<4661>(東証プライム)やサンリオ<8136>(東証プライム)のテーマパークの優待チケットや松竹<9601>(東証プライム)、東宝<9602>(東証プライム)、歌舞伎座<9661>(東証スタンダード)、御園座<9664>(名証メイン)の優待観劇チケット、JAL<9201>(東証プライム)、ANA<9202>(東証プライム)の航空券チケットは、マニアのステータスシンボルともなるもので、権利付き最終日に向けた盛り上がりを見越した待ち伏せ買いも一考余地がある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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