協立情報通信は「流通株式時価総額」の達成に向け中期計画など着実に推進

■上場維持基準に関する進捗状況を開示、資本政策の実施も検討

 協立情報通信<3670>(東証スタンダード)は6月28日午前、上場維持基準への適合に向けた計画に基づく進捗状況について開示し、東証スタンダード市場の上場維持基準のうち、2024年3月末時点で唯一「流通株式時価総額」だけが基準を充たしていないものの、当初計画のとおり、26年3月期までに基準を充たすために、引き続き各種の取り組みを進めるとした。

 同社は、法人向けにICT(情報通信技術)関連ソリューションなどの提供を行うソリューション事業と、NTTドコモのモバイル事業、ドコモショップ運営などを行っている。

 前期・2024年3月期の業績は、売上高が前期比11.4%増の54億69百万円となり、中期計画の52億円に対して約5%上回った。営業利益は同73.7%増の2億83百万円となり、やはり6%上回り、他すべての項目において、中期経営計画にて定めた計画値を上回る結果となった。

 ソリューション事業においては、基幹システムのDX化推進や奉行ソフトウェアのバージョンアップが堅調に推移し、改正電子帳簿保存法やインボイス制度といった法令・制度改正も追い風となり、昨年対比で増収増益の結果となった。モバイル事業では、法人サービス事業での端末サポートサービスが堅調に推移するとともに、キャリアの総合評価のランクアップにより継続収入が増加した。

 上場維持基準の完全適合に向けては、当初計画のとおり、『中期経営計画2025』(ローリング版)の遂行、資本政策の実施検討、IR活動の充実・情報発信の強化、などを推進する。中期経営計画では、事業別ポートフォリオの再構築、継続収益の拡大、サステナブル経営の推進、などを進める。

 法人関連ビジネスに関しては、モバイルやクラウドの進展により、当社のソリューション事業とモバイル法人事業の融合連携が一層進展し、提案プロセスや価格メニューの改善などマネジメント・体制の改善、ならびにメーカーをはじめとする多様なパートナーとの協業を進め、売上の拡大に取り組んでいく。クラウド化の進展により構築期間が短縮でき、機会損失の減少を図るとともに、保守運用管理のサービスの拡大を図る。

 継続型収益の更なる拡大を図るため、法人系では、システム保守サービスの充実の一環として、ネットワーク運用管理サービス、DX促進に向けたクラウドアプリ活用伴走サービスなどを立ち上げ、推進していく。

 また、モバイル事業法人サービス部門ではモバイル端末の保守およびMDMサービスの運用サポート支援などの促進に取り組む。加えて、DX効果をより高めるための業務プロセスコンサル等のアドバイザリーサービスに着手して総合的なサポート体制の充実に努めていく。

 これらを着実に実行し、5.2%であった営業利益率を今年度は6.3%まで改善させ、収益の拡大に取り組んでいく。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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