ユーグレナとNTTが世界初の新技術を開発、中性子線照射で藻類の油脂生成量を1.3倍に

■バイオ燃料やCO2吸収など、気候変動問題解決に貢献

 ユーグレナ<2931>(東証プライム)とNTT(日本電信電話)<9432>(東証プライム)は7月4日、世界で初めて中性子線照射による藻類の品種改良技術を確立したと発表。この画期的な技術により、バイオ燃料の原料となる油脂の生成量を最大1.3倍に増加させることに成功している。研究成果は英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。

 同技術の核心は、中性子線の種類と吸収線量が遺伝子変異導入効率に与える影響を明らかにし、最適な照射条件を特定したことにある。高エネルギー中性子線では20グレイ、熱中性子線では13グレイの照射時に最も効果的に変異が導入されることが判明した。この条件下で、単細胞性藻類シゾンとユーグレナに対して品種改良を実施。特にユーグレナでは、野生株と比較して1.2倍から1.3倍の油脂生成量を示す4株の取得に成功した。

 同新技術は、気候変動問題の解決に向けて広範な活用が期待されている。CO2吸収量の向上や、目的に応じた有用物質の生産性向上など、様々な応用可能性を秘めている。研究チームは今後、CO2吸収量を向上させた藻類の品種改良や原因遺伝子の解析を進めるとともに、他の藻類種への技術適用を検証していく方針。これにより、温室効果ガスの削減やエネルギー資源の生産、さらには農林水産飼料の創出など、気候変動に関連する多様な課題解決に貢献することを目指すとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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