【どう見るこの株】シーアールイーは反落も7月期決算期末接近で高配当利回りの増配権利取りが交錯し下げ渋る

 シーアールイー<3458>(東証プライム)は、前日4日前場寄り付き段階に1735円と買われ連日の年初来高値更新となったが、大引けでは40円安の1679円と8営業日ぶりに反落した。足元の7連騰で株価が、約200円高しており、週末を控えて目先の利益を確定する売り物が出た。ただこの日の安値1681円からは引き戻し下げ渋る動きも示した。同社株は、今年5月9日に今2024年7月期第3四半期(2023年8月~2024年3月期3Q)決算とともに期末配当の増配を発表しており、この増配を手掛かりに7月相場入りの期末接近とともに下値には依然として高配当利回り買いが交錯した。テクニカル的にも25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆していることを手掛かりに、割安修正期待の買い物も並行している。

■総還元性向引き上げへ株主還元方針を変更し特別配当を上乗せ

 同社の株主還元方針は、昨年9月に変更され、従来の総還元性向30%程度を下限に50%を目標とし、これを自己株式取得か特別配当で実施することとした。今期期末配当は、期初予想の26円に特別配当24円を上乗せして50円とし、年間配当は、中間配当25円と合わせて75円(前期実績25円)に大幅増配を予定している。年間配当利回り4.46%は、7月期決算会社でトップとなるのはもちろん、全市場・全銘柄ベースのランキングでも第69位にランクインする。権利付き最終売買日まで残り16営業日、所有期間利回り的感覚では、実質利回りはさらにアップする計算となる。

 期末配当の増配と同時発表した今期3Q業績は、前年同期比30.0%減収、81.9%営業減益、81.9%経常減益、99.4%純益減益となった。前年同期期は、物流投資事業で前期業績の上方修正要因となった2物件の売却があり、今期3Qが物件売却がなかったためで、今7月期通期業績は、第4四半期の物件売却計画から期初予想に変更はない。売り上げ679億円(前期比30.2%増)、営業利益75億円(同4.9%減)、経常利益60億5000万円(同9.7%減)、純利益38億円(同13.4%減)と見込んでいる。

■GC示現で短期30%高もなお配当利回りは4.4%、PERは12倍となお割安

 株価は、今期第2四半期業績の大幅増収増益着地で1478円と上ぶれる場面もあったが、1200円台を下限とする小幅ボックス相場を続け期末配当の増配とともに棒上げ、年初来高値1735円まで33%高し、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を鮮明化した。足元の株価は、上昇一服となったが、配当利回りは4.46%、PERは12.9倍と割安で上値余地を示唆している。配当権利取りのインカムゲインとともに、2022年3月高値1928円を目指すキャピタルゲインも期待できそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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