トヨタシステムズと日本IBM、生成AIでコードや仕様書を自動生成、AIで開発効率2倍

■有識者依存からの脱却と生産性向上を実現、2024年7月から実業務に適用

 トヨタ自動車<7203>(東証プライム)グループのトヨタシステムズと日本IBMは7月10日、生成AIを活用してコードや仕様書を生成する実証実験を行い、開発効率の向上を確認したと発表。2023年12月から開始されたこの実証実験では、COBOLやJavaのアプリケーション・プログラムの仕様書をもとにソースコードを生成する「コード生成」と、既存ソースコードの情報をもとに仕様書を生成する「仕様書生成」が行われた。実験の結果、有識者関与率の削減や開発生産性向上が確認され、2024年7月から実業務への適用が開始された。

 企業の基幹システム維持には、旧来テクノロジーの技術者育成や確保、自社システムを熟知した有識者への依存が課題となっている。トヨタシステムズと日本IBMは、生成AIを活用することでこれらの課題を解決し、開発生産性を向上させることを目指した。実証実験では、トヨタシステムズが複数の開発部門をまたがる生成AI検証チームを編成し、日本IBMが支援を行った。結果として、若手社員がレガシー言語にも興味を持ち、積極的に活動に取り組む効果も確認された。

 今後、トヨタシステムズと日本IBMは、生成AIの大規模言語モデル(LLM)への知見移植やプロンプト・チューニングによる精度向上を進める。また、生成AIとその他の技術を統合するオーケストレーターを活用し、さらなる生産性向上を目指していく。将来的には、生成AIの活用による省人化、自動化を進め、大規模基幹システムのモダナイゼーションを促進し、新たなアプリケーション開発のあり方を模索するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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