トレジャー・ファクトリーは25年2月期業績・配当予想を上方修正

(決算速報)
 トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)は7月10日の取引時間終了後に25年2月期第1四半期連結業績を発表した。大幅増収増益で着地した。既存店売上が想定以上に好調に推移し、前期の新規出店効果やグループ会社の堅調推移も寄与した。そして通期業績および配当予想を上方修正した。さらに、既存店の好調が牽引して通期会社予想に再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は最高値を更新した。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■25年2月期1Q大幅増収増益、通期業績・配当予想を上方修正

 25年2月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比24.9%増の103億20百万円、営業利益が30.7%増の13億49百万円、経常利益が30.9%増の13億64百万円、親会社株主帰属四半期純利益が37.0%増の9億23百万円、EBITDA(営業利益+営業費用の減価償却費+のれん償却費)が32.5%増の15億01百万円だった。

 大幅増収増益だった。リユース意識の高まり、物価高による節約志向の高まり、行動制限緩和に伴う外出需要やインバウンド需要の回復、メディア露出増加による認知度向上などで既存店売上が想定以上に好調に推移し、前期の新規出店効果やグループ会社の堅調推移も寄与した。

 営業利益の前年同期比+3億17百万円の増減分析は、単体既存店と前期出店店舗の増益で+3億31百万円、新店で▲28百万円、その他で▲1億27百万円、グループ会社の利益貢献で+1億41百万円だった。

 単体ベースの既存店売上高は108.1%、販売件数は102.5%、1件あたり販売単価は105.4%だった。単体ベースの売上総利益率は65.5%で1.0ポイント低下した。免税販売の伸長によりブランド品など原価率の高い高単価商材の販売が好調だった影響で約0.5ポイント低下、仕入に係る送料の一部の計上先を販管費から売上原価に変更した影響で約0.3ポイント低下した。新規出店はグループ合計6店舗で、24年7月末時点のグループ店舗数(海外およびFCを含む)は285店舗となった。

 25年2月期通期の連結業績予想は7月10日付で上方修正して、売上高が24年2月期比21.5%増の418億62百万円、営業利益が20.7%増の40億41百万円、経常利益が20.0%増の40億69百万円、親会社株主帰属当期純利益が21.5%増の27億23百万円とした。配当予想は7月10日付で第2四半期末2円上方修正して、24年2月期比6円増配の34円(第2四半期末18円、期末16円)とした。予想配当性向は29.3%となる。

 前回予想(24年4月10日付公表値、売上高405億62百万円、営業利益37億12百万円、経常利益37億33百万円、親会社株主帰属当期純利益24億66百万円)に対して売上高を13億円、営業利益を3億29百万円、経常利益を3億36百万円、親会社株主帰属当期純利益を2億57百万円、それぞれ上方修正した。引き続き既存店売上が伸長し、前期出店店舗やグループ会社も貢献する見込みだ。

 前提として、既存店売上(単体ベース)は年間ベースで前年比103%だったが、第1四半期実績を踏まえて第2四半期を108%、下期を104%に上方修正した。売上総利益率(連結ベース)については通期60.3%だったが、上期60.2%、下期59.5%に修正した。前期実績(上期62.0%、下期59.3%)との比較では、仕入に係る送料の一部の計上先を販管費から売上原価に変更した影響、前期第4四半期からP/Lに取り込んだゴルフリユース業態が影響する。販管費比率(連結ベース)は通期51.2%だったが、通期50.2%に修正した。販管費全体では給与ベースアップを増額し、出張買取やオークションの拠点となるセンターの拡張移転費用も増額したが、大幅増収効果で販管費比率は計画比低下する見込みだ。なお新規出店(連結ベース)は過去最多となる30店舗を据え置いた。

 修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高25%、営業利益33%、経常利益34%、親会社株主帰属当期純利益34%となる。単価の低い夏物衣料などが中心となる第2四半期の構成比が低くなりやすい季節要因を考慮しても、進捗率は順調と考えられる。さらに、既存店の好調が牽引して通期会社予想に再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価(23年3月1日付で株式2分割)は最高値を更新した。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。7月10日の終値は1818円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS116円23銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の34円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS362円06銭で算出)は約5.0倍、そして時価総額は約443億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る