【銘柄紹介】モバイルファクトリー出番近そう、上場後高値から7割下げで底打ち、O2O関連の有望銘柄
- 2015/10/14 09:28
- 銘柄紹介
モバイルファクトリー<3912>(東マ・100株単位)は今年3月下旬に上場。O2O関連の有望銘柄で上場後高値から7割調整、日柄も6カ月経過で反発場面が近そうだ。
<歩み・規模・銘柄特性>
モバイルファクトリー<3912>(東マ・100株単位)は、2001年に有限会社モバイルファクトリーを設立、着信メロディASPサービス『melop』、着信メロディカードサービス『メロプレ』をリリース。日本最大のノベルティ展示会でメロプレが準大賞を受賞。2003年に株式会社組織へ変更し設立。2009年にはオプトと資本・業務提携を強化、2015年3月に上場した。
同社の宮島裕二社長は投資家向けメッセージで次の通り語っている。「当社はモバイルサービス事業を単一事業とし、ソーシャルアプリサービスと、コンテンツサービスを提供しています。10年以上続けてきたコンテンツサービスにて安定収益を確保しソーシャルアプリサービスにて新しいフィールドへ挑戦して行きます。コンテンツサービス市場は、まだまだ大きく、またソーシャルアプリサービスはこれから益々、拡大します。その中で、実際に人を動かすことを特徴とした位置情報連動型ゲーム及びサービスによって、ステークホルダーの皆様へ還元できるよう努めます」と。
年商約16億円、従業員数約90名。発行済株数は約242万株の小型。マーケットではスマホ関連、ゲーム関連,O2O関連として位置づけられている。
<事業内容&特徴・強さ>
モバイルサービス単一事業のためセグメント別売上はない。ただ、サービス別の売上は、直近の第2四半期(1~6月)では総売上高8億円の内、『位置情報連動型ゲーム』が約2億2500万円、『スマートノベル』が約1億4700万円となっており、この2つを合計した「ソーシャルアプリサービス」が約3億7400万円である。一方、「コンテンツサービス」が約4億2600万円となっている。
『位置ゲーム』とは、携帯電話のGPS機能を使って計画した、「移動距離」や、「現在位置」を実際に移動しながら競うゲーム。「現在位置」のみを利用したスタンプラリー的なものから、付随した地域情報を利用するもの、「移動距離」を競うもの、それらの複合的なものなど、位置にまつわる様々な要素を活用できる幅の広いジャンルのゲームということだ。
『スマートノベル』は、ユーザーがストリー性のあるシナリオを、豊富なイラスト付きノベル形式で読み進める男性向け恋愛シュミレーションゲームという。
「O20」(オンライtoオフライの略)は、インターネット上で利用するサービス(オンライ)を通して、ユーザーに実店舗(オフライン)へ足を運んでもらえるように行う取り組み。
現在、同社がO2Oで協業している先はポイント系会社、電鉄会社。全国電鉄23社の「鉄道むすめ」とコラボデジタルスタンプラリーなど。O2Oによる地域振興イベント実績も多く、たとえば豊橋まつりとのコラボでは、豊橋駅に出向いたユーザー数は約10倍になったという。
今後は小売事業社、自治体、観光事業社、ウエルネス事業社などとの協業を計画している。
<業績推移>
15年12月期が上場後の初本決算となるが、その第2四半期(1~6)は、前年同期との比較はない(四半期決算は今年から)が、売上8億円、営業利益1億3600万円、純益7500万円だった。とくに、通期予想に対する営業利益の進捗率は56.3%と目安の50%を上回っている。
今12月期は売上6.1%増の16億3300万円、営業利益14.2%増の2億4100万円、純益24.8%増の1億4700万円、1株利益66.3円の見通し。配当は無配。
<株価の推移と展望>
3月の新規上場時初値は2812円、直後の4月1日に3840円まで初値から1028円(36.5%)値を上げた。その後は新規公開銘柄のお決まりコースのように一本調子に下げ、去る8月25日に1139円と上場来安値をつけた。
この安値で底打ちしたものとみられる。高値からの下落率が70.3%に達し、新規銘柄の上場後の調整率とほぼ一致する。日柄的にも高値から6カ月が経過し反発のタイミングが近いものとみられる。
上場後の高値と安値の「中間値」2490円に対し足元の株価は1340円台で、戻りの最初の目安となる中間値まで1150円の値幅妙味がある。日足でダブルボトムを形成したところであり好狙い場といえるだろう。