日本エム・ディ・エムは25年3月期1Q増収増益、通期増収増益予想据え置き

(決算速報)
 日本エム・ディ・エム<7600>(東証プライム)は7月30日の取引時間終了後に25年3月期第1四半期連結業績を発表した。増収増益だった。売上面は日本国内、米国とも獲得症例数が増加して2桁増収となった。利益面は日本の償還価格引き下げや円安による売上原価率の上昇がマイナス要因だったが、増収効果で吸収した。そして通期増収増益予想を据え置いた。償還価格引き下げや円安による調達コストの上昇などがマイナス要因となるが、獲得症例数増加による増収効果や原価低減効果などで吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だが底固め完了感を強めている。1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。

■25年3月期1Q増収増益、通期増収増益予想据え置き

 25年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比12.0%増の60億52百万円、営業利益が5.7%増の3億66百万円、経常利益が9.0%増の3億67百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が54.3%増の2億73百万円だった。

 増収増益だった。売上面は日本国内、米国とも獲得症例数が増加して2桁増収となった。利益面は日本の償還価格引き下げや円安による売上原価率の上昇がマイナス要因だったが、増収効果で吸収した。営業外収益では為替差益が13百万円増加、営業外費用では持分法投資損失が8百万円減少した。純利益については、前期の特別損失に計上した和解関連費用75百万円がなくなったことも寄与して大幅増益だった。

 セグメント別(セグメント間取引・全社費用等調整前)に見ると、日本は売上高が4.2%増の31億84百万円で営業利益が33.6%減の1億56百万円、米国は売上高が17.9%増の37億53百万円で営業利益が252.5%増の1億93百万円だった。米国の外部顧客向け売上高はUSドルベースで7.8%増の18百万円USドル、円換算後で22.2%増の28億68百万円だった。米国売上の為替換算レートは1USドル=156.55円(前年同期は1USドル=138.11円)だった。

 医療機器類の品目別売上高(セグメント間取引相殺消去後、日本は収益認識に関する会計基準を適用しているため売上高から販売促進費の一部を控除)は、人工関節は日本が2.3%増の11億98百万円で米国が22.4%増の28億63百万円、骨接合材料(日本)は4.0%増の10億79百万円、脊椎固定器具(日本国内と米国の合計)は6.5%増の8億74百万円だった。なお自社製品比率は1.1ポイント低下して81.2%となった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比8.7%増の252億円、営業利益が5.9%増の18億50百万円、経常利益が0.4%増の18億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.2%増の13億円としている。想定為替レートは1USドル=150円としている。配当予想については24年3月期比1円増配の15円(期末一括)としている。連続増配予想で予想配当性向は30.4%となる。

 償還価格引き下げ、円安による調達コストの上昇などがマイナス要因となるが、獲得症例数増加による増収効果や原価低減効果などで吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は底固め完了

 株価は安値圏でモミ合う形だが底固め完了感を強めている。1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。7月30日の終値は652円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円39銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の15円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS968円74銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約173億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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