京写は25年3月期1Q小幅増収・営業増益、モミ合いから上放れの展開に期待
- 2024/8/1 09:32
- 決算発表記事情報
(決算速報)
京写<6837>(東証スタンダード)は7月31日の取引時間終了後に25年3月期第1四半期連結業績を発表した。小幅増収・営業増益だった。国内では自動車向けプリント基板の受注回復が遅れたが、実装関連が好調に推移し、海外ではベトナムにおける自動車分野の受注拡大や、中国における高付加価値基板の増加が寄与した。そして通期の大幅営業増益予想を据え置いた。第1四半期の営業利益進捗率は順調であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値が重くモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、モミ合いから上放れの展開を期待したい。
■25年3月期1Q小幅増収・営業増益、通期大幅営業増益予想据え置き
25年3月期第1四半期連結業績は売上高が前年同期比2.2%増の62億46百万円、営業利益が5.1%増の3億59百万円、経常利益が12.0%減の2億39百万円、親会社株主帰属四半期純利益が30.0%減の1億40百万円だった。
小幅増収・営業増益だった。国内では自動車向けプリント基板の受注回復が遅れたが、実装関連が産業機器や航空機向けに好調に推移し、海外ではベトナムにおいて北米向け自動車分野の受注が拡大したほか、中国におけるコスト削減や高付加価値の金属基板の増加も寄与した。なお経常利益と四半期純利益は、営業外での為替差損益の悪化(前期は為替差益4百万円、当期は為替差損39百万円)により減益だった。
地域別のセグメント業績(内部取引含む)は、日本の売上高が1.0%減の25億87百万円で営業利益が19百万円の損失(前年同期は68百万円の利益)、中国の売上高が6.7%増の33億99百万円で営業利益が42.2%増の2億92百万円、インドネシアの売上高が6.9%増の6億32百万円で営業利益が0百万円(同18百万円の損失)、メキシコの売上高が23.3%増の37百万円で営業利益が3百万円の損失(同2百万円の利益)、ベトナムの売上高が57.1%増の11億77百万円で営業利益が52.8%増の1億13百万円だった。
製品別売上高は片面板が7.7%増の27億66百万円、両面板(多層板、銀スルーホール基板含む)が3.9%減の26億04百万円、実装関連が9.9%増の7億08百万円、その他が10.7%減の1億67百万円だった。用途別売上高は自動車関連が3.2%増の27億78百万円、家電製品が7.3%減の11億22百万円、事務機関連が17.6%増の7億97百万円、電子部品が11.4%減の3億35百万円、電気機器が0.5%増の1億86百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメント等)が0.9%減の3億20百万円、実装関連が21.79.9%増の7億08百万円だった。実装関連の用途別売上高構成比は産業機器が50.5%、航空機が15.5%、通信機器が5.4%、自動車が7.5%、電子部品が2.2%、その他が18.9%だった。
通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比1.7%増の250億円、営業利益が20.3%増の13億円、経常利益が6.4%増の9億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.8%増の6億40百万円としている。配当予想については24年3月期比1円増配の11円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は24.8%となる。
経常利益は24年3月期の営業外収益に計上した海外投資補助金収入2億12百万円が剥落するため小幅増益だが、生産ラインを増設したベトナム子会社において引き続き旺盛な自動車関連需要が期待されるほか、中国における高付加価値の金属基板の増加や、国内における実装関連の堅調推移も寄与して大幅営業増益予想、そして連続増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価はモミ合い煮詰まり感
株価は上値が重くモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、モミ合いから上放れの展開を期待したい。7月31日の終値は416円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円34銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の11円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS569円55銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約61億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)