JSPは25年3月期1Q増収増益、上値を試す展開を期待

(決算速報)
 JSP<7942>(東証プライム)は7月31日の取引時間終了後に25年3月期第1四半期連結業績を発表した。増収増益だが、営業利益の伸び率は小幅にとどまった。ビーズ事業は価格改定効果も寄与して増益だったが、押出事業が一般包材や土木分野向けの減少などで減益だった。そして通期の減益予想を据え置いた。通期ベースでも大幅増益だった前期の反動などを考慮している。第1四半期の営業利益の進捗率はやや低水準の形となったが、第2四半期以降の挽回を期待したい。株価は4月の年初来高値に接近している。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■25年3月期1Q増収増益、通期減益予想据え置き

 25年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比7.6%増の344億96百万円、営業利益が1.7%増の12億92百万円、経常利益が10.4%増の16億42百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11.7%増の12億50百万円だった。

 増収増益だが、営業利益の伸び率は小幅にとどまった。ビーズ事業は価格改定効果も寄与して増益だったが、押出事業が一般包材や土木分野向けの減少などで減益だった。なお営業外では、受取利息が59百万円増加したほか、為替差損益が改善(前期は為替差損16百万円、当期は為替差益71百万円)した。

 押出事業(その他に区分していた子会社分を当期より押出事業に変更、前期も変更後に組替)は売上高が1.3%増の118億16百万円、営業利益(全社費用等調整前)が9.9%減の4億02百万円だった。食品容器用を中心とする生活資材製品は順調だったが、産業資材製品の汎用製品や一般包材、建築土木資材製品の土木分野向けが減少したため減益だった。

 ビーズ事業は売上高が11.3%増の226億80百万円、営業利益が5.9%増の11億78百万円だった。発泡ポリプロピレン「ARPRO」を中心に高機能材製品が順調に拡大した。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比8.1%増の1460億円、営業利益が7.5%減の70億円、経常利益が9.0%減の74億円、親会社株主帰属当期純利益が17.1%減の53億円としている。配当予想は24年3月期比15円増配の80円(第2四半期末40円、期末40円)としている。連続大幅増配で予想配当性向は39.6%となる。

 セグメント別(25年3月期よりその他を押出事業に統合、増減率は組替後)の計画は、押出事業の売上高が8.9%増の520億円で営業利益(全社費用等調整前)が12.1%減の19億円、ビーズ事業の売上高が7.7%増の940億円で営業利益3.7%減の63億円、営業利益の全社費用等調整額が▲12億円としている。

 25年3月期は需要の堅調推移や製品価格改定などで増収だが、不透明感、原材料価格上昇、固定費増加、大幅増益だった前期の反動などを考慮して減益予想としている。第1四半期の進捗率は売上高が24%、営業利益が18%、経常利益が22%、当期純利益が24%である。営業利益の進捗率はやや低水準の形となったが、第2四半期以降の挽回を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は4月の年初来高値に接近している。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。7月31日の終値は2302円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS202円23銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の80円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3635円60銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約723億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■使途不明の企業借入金が2割超に、金融機関の貸出にも影響  東京商工リサーチが実施したアンケート調…
  2. ■日常会話とオリジナルストーリーを楽しめる新感覚サービス  博報堂DYホールディングス<2433>…
  3. ■国内最大規模のダンスミュージックフェス、公式チケット先行受付開始  GMOインターネットグループ…
2024年9月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■アメリカ大統領選挙と利下げ効果、住宅関連銘柄に期待高まる  住宅関連株は厳しい経営環境にもかかわ…
  2. ■歴史は繰り返すのか?上方修正相次ぐ住宅関連株に再び脚光、今後の相場を占う  「歴史は繰返さないが…
  3. ■オーナーチェンジと成長するJリーグ、投資機会広がる  秋の到来とともに、スポーツ界では「天高く馬…
  4. ■優勝争いにオーナーチェンジも絡むJリーグ関連株に先手妙味  秋の諺で「天高く馬肥ゆる秋」がある。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る