JSPは25年3月期1Q増収増益、上値を試す展開を期待
- 2024/8/1 09:33
- 決算発表記事情報
(決算速報)
JSP<7942>(東証プライム)は7月31日の取引時間終了後に25年3月期第1四半期連結業績を発表した。増収増益だが、営業利益の伸び率は小幅にとどまった。ビーズ事業は価格改定効果も寄与して増益だったが、押出事業が一般包材や土木分野向けの減少などで減益だった。そして通期の減益予想を据え置いた。通期ベースでも大幅増益だった前期の反動などを考慮している。第1四半期の営業利益の進捗率はやや低水準の形となったが、第2四半期以降の挽回を期待したい。株価は4月の年初来高値に接近している。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。
■25年3月期1Q増収増益、通期減益予想据え置き
25年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比7.6%増の344億96百万円、営業利益が1.7%増の12億92百万円、経常利益が10.4%増の16億42百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11.7%増の12億50百万円だった。
増収増益だが、営業利益の伸び率は小幅にとどまった。ビーズ事業は価格改定効果も寄与して増益だったが、押出事業が一般包材や土木分野向けの減少などで減益だった。なお営業外では、受取利息が59百万円増加したほか、為替差損益が改善(前期は為替差損16百万円、当期は為替差益71百万円)した。
押出事業(その他に区分していた子会社分を当期より押出事業に変更、前期も変更後に組替)は売上高が1.3%増の118億16百万円、営業利益(全社費用等調整前)が9.9%減の4億02百万円だった。食品容器用を中心とする生活資材製品は順調だったが、産業資材製品の汎用製品や一般包材、建築土木資材製品の土木分野向けが減少したため減益だった。
ビーズ事業は売上高が11.3%増の226億80百万円、営業利益が5.9%増の11億78百万円だった。発泡ポリプロピレン「ARPRO」を中心に高機能材製品が順調に拡大した。
通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比8.1%増の1460億円、営業利益が7.5%減の70億円、経常利益が9.0%減の74億円、親会社株主帰属当期純利益が17.1%減の53億円としている。配当予想は24年3月期比15円増配の80円(第2四半期末40円、期末40円)としている。連続大幅増配で予想配当性向は39.6%となる。
セグメント別(25年3月期よりその他を押出事業に統合、増減率は組替後)の計画は、押出事業の売上高が8.9%増の520億円で営業利益(全社費用等調整前)が12.1%減の19億円、ビーズ事業の売上高が7.7%増の940億円で営業利益3.7%減の63億円、営業利益の全社費用等調整額が▲12億円としている。
25年3月期は需要の堅調推移や製品価格改定などで増収だが、不透明感、原材料価格上昇、固定費増加、大幅増益だった前期の反動などを考慮して減益予想としている。第1四半期の進捗率は売上高が24%、営業利益が18%、経常利益が22%、当期純利益が24%である。営業利益の進捗率はやや低水準の形となったが、第2四半期以降の挽回を期待したい。
■株価は上値試す
株価は4月の年初来高値に接近している。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。7月31日の終値は2302円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS202円23銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の80円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3635円60銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約723億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)