イトーキは24年12月期2Q累計小幅営業・経常減益だが計画水準、配当予想を上方修正

(決算速報)
 イトーキ<7972>(東証プライム)は8月5日に24年12月期第2四半期累計連結業績を発表した。販管費の増加で小幅営業・経常減益だが、売上面は順調に推移し、全体として概ね計画水準だった。通期については2桁増益予想を据え置き、配当予想を上方修正した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で急落し、一気に年初来安値を更新したが、売られ過ぎ感を強めている。出直りを期待したい。

■24年12月期2Q累計小幅営業・経常減益だが通期2桁増益予想

 24年12月期第2四半期累計(1月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.3%増の725億10百万円、営業利益が2.0%減の68億66百万円、経常利益が3.6%減の68億37百万円、親会社株主帰属四半期純利益が8.1%増の50億86百万円だった。

 販管費の増加で小幅営業・経常減益だが、売上面は順調に推移し、全体として概ね計画水準だった。営業利益▲1.3億円の要因分析は、売上増加に伴う利益増加がワークプレイス事業の増収効果で+17.1億円、売上総利益率がワークプレイス事業の製品ミックスの影響で▲6.5億円、販管費の増加(DX推進のためのIT基盤強化、人的資本投資の一環としての賃上げ、専門人材の採用など)で▲13.6億円、物流費の減少(中期重点戦略による物流サービスの収益力強化)で+1.7億円だった。

 ワークプレイス事業は、売上高が10.0%増の540億63百万円、営業利益が0.8%減の52億31百万円だった。営業利益は製品ミックスの影響や販管費の増加で前期並みにとどまったが、売上面はハイブリッドな新しい働き方にあわせたリニューアル案件やオフィス移転案件などにより2桁増収と順調だった。

 設備機器・パブリック事業は、売上高が3.3%減の176億66百万円、営業利益が3.7%増の15億72百万円だった。売上面は前期好調だった反動で博物館・美術館の展示ケースなど公共施設向け設備需要が減少したため減収だが、研究施設向けの増収効果や販管費抑制などで増益だった。

 その他は売上高が3.0%増の7億80百万円、営業利益が70.4%減の62百万円だった。IT・シェアリング事業のセグメント変更に伴う会計方針変更の影響で減益だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が409億18百万円で営業利益が60億39百万円、第2四半期は売上高が315億92百万円で営業利益が8億27百万円だった。企業のオフィス移転などにより年度末にあたる第1四半期偏重の収益特性がある。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が23年12月期比3.4%増の1375億円、営業利益が17.3%増の100億円、経常利益が16.9%増の100億円、親会社株主帰属当期純利益が18.5%増の70億円としている。配当予想は8月5日付で期末3円上方修正して、23年12月期比13円増配の55円(期末一括)とした。予想配当性向は38.4%となる。

 セグメント別の計画は、ワークプレイス事業の売上高が5.0%増の990億円で営業利益が30.5%増の80億円、設備機器・パブリック事業の売上高が0.4%増の370億円で営業利益が4.9%増の20億円としている。

 各事業とも引き続き需要が堅調に推移し、増収効果や提供価値の向上による利益率改善などにより2桁増益・大幅増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化の影響で急落し、一気に年初来安値を更新したが、売られ過ぎ感を強めている。出直りを期待したい。8月5日の終値は1138円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS143円27銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の55円で算出)は約4.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1210円96銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約607億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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