【注目銘柄】三越伊勢丹はストップ安の翌日に一時ストップ高、1Q決算発表を先取り下げ過ぎ修正

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 三越伊勢丹ホールディングス<3099>(東証プライム)は、前日6日に331.5円高の2296.5円と5営業日ぶりに急反発して引け、朝方の寄り付き段階では買い気配から400円高と一時ストップ高した。前々日5日に日経平均株価が、4451円と過去最大の下落幅になり、同社株もストップ安と売られており、売られ過ぎとして割安株買いが再燃した。今週末9日には今2025年3月期第1四半期(2024年4月~6月期、1Q)決算の発表を予定しており、月次売上高の連続プラスからも業績期待を高め買い手掛かりとなっている。同社の前期業績は、四半期決算発表のたびに3回上方修正され、配当も2回増配されており、意識されている。

■月次売上高は13カ月連続でコロナ禍前を上回り1Q業績に期待

 同社の前2024年3月期決算は、四半期決算のたびに上方修正され営業利益は543億6900万円(前々期比83.6%増)と2008年4月の三越と伊勢丹の経営統合以来の過去最高を更新した。今2025年3月期業績も売り上げ5480億円(前期比2.2%増)、営業利益640億円(同17.7%増)、経常利益690億円(同15.2%増)、純利益530億円(同4.6%減)と続伸を見込んでいる。純利益は、前年度法人税等調整金96億円を計上するため小幅減益転換するが実質は増益となる。コロナ禍一巡で人流が回復し、インバウンド需要も好調に推移しており、伊勢丹新宿本店の売上高が4110億円(同9.3%増)、三越日本橋本店が1580億円(同3.4%増)、三越銀座店が1140億円(8.8%増)と続伸を見込んでいることなどが寄与する。今年7月の月次売上高でも同3店舗の売り上げは、コロナ禍前の2018年度の実績を13カ月連続で上回った。

 また同社は前期業績の上方修正とともに配当も2回増配したが、今期も年間44円(前期実績34円)へ連続増配を予定している。また株主還元策では、総還元性向50%を目安として連続増配のほか、自己株式取得も推進中である。自己株式取得は、取得株式数を850万株(発行済み株式総数の2.3%)、取得総額を150億円、取得期間を2024年5月5日~10月31日までとし、取得株式は、11月29日に消却を予定している。

■円高一服でPER16倍を修正しまず直近調整幅の半値戻しを目指す

 株価は、前期業績の2回目の上方修正で1814円、3回目の上方修正で2528円と買われ、今期業績の続伸予想と月次売上高の連続プラスで年初来高値3674円まで買い進まれ、円高・ドル安の為替相場の波乱からインバウンド需要に逆風として下値を探る展開となり、日経平均株価の4451円安とともにストップ安し、一時ストップ高と持ち直した。為替も円高一服となっており、PER16.2倍の売られ過ぎ修正からまず直近調整幅の半値戻しの2800円台へリバウンド幅を拡大させよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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