クレスコは25年3月期1Q大幅増収増益、通期増収増益予想据え置き

(決算速報)
 クレスコ<4674>(東証プライム)は8月6日の取引時間終了後に25年3月期第1四半期連結業績を発表した。受注が好調に推移して大幅増収となり、前年の不採算プロジェクトの影響が概ね一巡したため各利益とも大幅増益だった。そして通期の増収増益予想を据え置いた。受注環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で高値圏から急反落の形となったが、売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■25年3月期1Q大幅増収増益、通期増収増益予想据え置き

 25年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比15.8%増の137億58百万円、営業利益が85.0%増の8億70百万円、経常利益が23.8%増の10億27百万円、親会社株主帰属四半期純利益が24.8%増の7億56百万円だった。

 受注が好調に推移したことに加え、ジェット・テクノロジーズを新規連結したことも寄与して大幅増収となり、前年の不採算プロジェクトの影響が概ね一巡したため各利益とも大幅増益だった。営業外収益ではデリバティブ評価益が2億52百万円減少(前期は2億82百万円計上、当期は30百万円計上)した。また特別利益では投資有価証券償還益が減少71百万円減少(前期は1億08百万円計上、当期は37百万円計上)した。

 ITサービス事業は売上高が13.5%増の127億90百万円、営業利益(全社費用等調整前)が53.0%増の13億72百万円だった。

 このうちエンタープライズは、売上高が12.2%増の50億70百万円、営業利益が79.3%増の3億12百万円だった。売上面は運輸、情報・通信・広告分野の受注が伸長したことに加え、ジェット・テクノロジーズを新規連結したことも寄与した。利益面は不採算プロジェクトが1件残ったものの、前期の3件に比べて影響が減少した。

 金融は売上高が19.7%増の41億82百万円、営業利益が92.2%増の5億49百万円だった。売上面は銀行分野受注が好調に推移したことに加え、ジェット・テクノロジーズを新規連結したことも寄与した。利益面は前期の不採算プロジェクトの影響が一巡したことも寄与した。

 製造は売上高が8.9%増の35億37百万円で、営業利益が16.8%増の5億10百万円だった。機械・エレクトロニクス分野の受注が伸長し、ジェット・テクノロジーズを新規連結したことも寄与して増収増益だった。

 デジタルソリューション事業は売上高が56.9%増の9億67百万円、営業利益が68.2%減の8百万円だった。主力のRPAライセンスの販売が増加して大幅増収だが、利益面は組織体制見直しによる売上原価の増加、一部の連結子会社における販管費の増加により減益だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比10.9%増の585億円、営業利益が15.2%増の59億円、経常利益が6.0%増の60億円、親会社株主帰属当期純利益が7.3%増の40億円としている。配当予想は38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。24年7月1日付株式2分割を遡及修正すると24年3月期(年間26円)比12円増配の形となる。連続増配で予想配当性向は39.1%となる。

 受注が堅調に推移し、前期の不採算案件発生の影響一巡、生産性向上効果なども寄与して増収増益予想、そして連続増配予想としている。受注環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化の影響で高値圏から急反落の形となったが、売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。8月6日の終値は1121円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円09銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1343円78銭を株式2分割後に換算した671円89銭で算出)は約1.7倍、そして時価総額は約493億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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