【注目銘柄】日本精鉱は1Q業績のV字回復、アンチモン価格高騰が業績を牽引

注目銘柄

■年初来高値3595円奪回に期待

 日本精鉱<5729>(東証スタンダード)は、前日7日に145円高の2799円と続急伸して引け、直近安値2600円からのリバウド幅を拡大させた。同社株は、今年8月2日に今2025年3月期第1四半期(2024年4月~6月期、1Q)決算を発表、アンチモンの国際価格急騰でV字回復して着地したものの、日経平均株価が4451円安と過去最高の下落幅となる相場の乱気流に巻き込まれて大幅安を余儀なくされた。V字回復業績のバリュー面でも、25日移動平均線から11%超のマイナスかい離となるテクニカル面からでも売られ過ぎとして割り負け訂正買いが増勢となった。

■アンチモン価格の高騰でアンチモン事業も金属粉末事業も好調推移

 同社の今期1Q業績は、売り上げ48億6400万円(前年同期比28.0%増)、営業利益3億8400万円(同7.32倍)、経常利益3億9700万円(同5.02倍)、純利益2億7200万円(前年同期は2200万円)とV字回復し、期初予想の今期第2四半期(2024年4月~9月期、2Q)累計業績に対する利益進捗率は、60%~64%と目安の50%を上回った。アンチモン地金の価格が、中国におけるアンチモン鉱石の不足、環境監査などによる減産、太陽光パネル向け需要増などで需給がひっ迫、トン当たりの価格が前年同期比49%増の1万8030円に高騰したことが業績を押し上げた。アンチモン事業の売り上げは24億5900万円(同5.9%増)、セグメント利益は1億6800万円(同76.6%増)、金属粉末事業の売り上げは23億9700万円(同63%増)、セグメント利益は2億400万円(前年同期は5100万円の赤字)となったことが寄与した。

 今期2Q累計・通期業績は期初予想を据え置き、このうち今期通期業績は、売り上げ200億4000万円(前期比28.1%増)、営業利益11億円(同63.1%増)、経常利益10億6000万円(同50.1%増)、純利益7億2000万円(同43.2%増)と見込んでいる。1QのV字回復・高利益進捗業績からは、前期業績と同様に期中の上方修正も期待される。配当は、年間90円(前期実績80円)と増配を予定している。

■PER9倍、PBR0.7倍、配当利回り3.2%の修正で年初来高値を目指す

 株価は、今年4月の前期業績の上方修正と途中減配した配当の増配を好感して2695円高値をつけ、農業事業参入では3265円と上値を伸ばし、アンチモン価格の過去最高更新とともに年初来高値3595円まで買い進まれた。今期1QのV字回復業績では一時3420円と高値反応したものの急落相場の渦中で2600円安値に突っ込み、戻りを試しているところである。PERは9.4倍、PBRは0.7倍、配当利回りは3.21%、25日移動平均線からは11.5%のマイナスかい離となお売られ過ぎを示唆しており、まず25日線水準の3200円をクリアし、弾みをつけて年初来高値奪回を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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