■大学や企業との連携で、2025年2月から量産開始目指す
倉元製作所<5216>(東証スタンダード)は8月7日、取締役会でペロブスカイト太陽電池事業の開始を決定したと発表。同社は2022年から石英ガラスやSiC加工などの新規事業を展開していたが、SiC市場の成長停滞を受けて新たな収益源を模索していた。今回の決定は、長年培ってきたガラス基板加工やITO成膜技術を活用し、新たな市場として注目されるペロブスカイト太陽電池の量産を目指すものである。
ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟性があり低コストで製造できる次世代型の太陽電池で、日本国内の市場規模は2035年には1兆円に達すると予測されている。倉元製作所は、これまでの研究開発とインフラ設備を活用し、国内外の研究機関や企業と連携して量産技術の確立に取り組んできた。2024年6月には技術顧問契約を締結し、世界先端企業との技術協議を経て量産化の準備が整った。
同社は、2025年2月を目標にペロブスカイト太陽電池の量産を開始する予定。固定資産取得費として10億8000万円を見込み、早期に市場に供給できる体制を整える。日本製造の強みを活かしつつ、必要に応じて中国からのOEM製品の調達も視野に入れ、迅速な事業展開を目指すとしている。具体的な業績への影響額については今後精査し、速やかに開示する予定である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)