■株価は8月5日の全体急落に巻き込まれて大きく下押し大幅割安
加賀電子<8154>(東証プライム)は8月13日、4780円(125円高)まで上げた後も100円高前後で堅調に売買され、再び上値を探る相場となっている。8月8日に発表した第1四半期決算(2024年4~6月・連結)は減収減益だったが、SBI証券・企業調査部の同日付ショートコメントでは、売上高と営業利益が同証券の予想を上回り「決算の印象はポジティブ」とした。営業利益は予想平均を上回ったもようで、株式市場に見直し機運が広がっている様子だ。株価は日経平均が歴代最大の下げ幅を記録した8月5日にかけての全体の下げに巻き込まれる形で大きく下押したが、同証券では目標株価を7600円(今後6カ月から1年の期間に達すると予想している株価水準)と設定している。時価は大幅な割安圏になるようだ。
加賀電子の第1四半期決算(2024年4~6月・連結)は、売上高が前年同期比6.6減となり、営業利益は同20.6%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は同28.4%減だった。「電子部品事業で前第3四半期より顕在化した主要顧客における在庫調整の影響」(決算説明資料)などが尾を引き、「期初に実施した賃上げによる人件費の増加や物流コスト上昇等の影響」(同)もあった。一方、売上総利益は同3.3%減にとどまり、低採算製品の販売縮小による販売ミックス改善などにより利益率が良化した。純利益については、前第1四半期期に計上した投資有価証券売却益の反動減もあった。
在庫調整の影響については、「上期中は継続、下期より需要回復に向かう見通しは不変」(同)としており、今3月期の連結業績予想は全体に前回予想を継続し、売上高は5550億円(前期比2.3%増)、営業利益は260億円(同0.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は180億円(同11.5%減)とした。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)