マーケットエンタープライズは25年6月期も大幅増益予想

(決算速報)
 マーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)は8月14日の取引時間終了後に24年6月期連結業績を発表した。デリバティブ評価損や減損損失の計上により経常減益・最終赤字だが、ネット型リユース事業およびモバイル通信事業が牽引して大幅増収・大幅営業増益だった。そして25年6月期も大幅増収・大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、目先的な売りが一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■24年6月期大幅営業増益、25年6月期も大幅増益予想

 24年6月期の連結業績は売上高が23年6月期比24.6%増の190億08百万円、営業利益が215.7%増の2億98百万円、経常利益が85.5%減の40百万円、親会社株主帰属当期純利益が4億76百万円の損失(23年6月期2億90百万円の利益)だった。

 営業外でのデリバティブ評価損益(SBI証券との差金決済型自社株価先渡取引契約に基づくデリバティブ評価損益)の悪化(前期は評価益2億19百万円、当期は1億97百万円の評価損)や、特別損失での減損損失1億90百万円の計上により、経常減益・最終赤字だが、ネット型リユース事業およびモバイル通信事業が牽引して大幅増収・大幅営業増益だった。なお売上高、各利益とも前回予想(24年6月14日付上方修正値)を上回る水準で着地した。

 営業利益+2億04百万円の増減分析は、増益要因として増収要因+14億31百万円、減益要因として人件費・採用費増加▲4億45百万円、拠点関連費用増加▲1億07百万円、粗利益率低下▲3億10百万円、その他販管費増加(業容拡大に伴う荷造運賃・販売手数料等の増加)▲3億63百万円だった。

 ネット型リユース事業は売上高が31.4%増の110億27百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が68.5%増の5億54百万円だった。売上高の内訳は、個人向けリユースが29.0%増の79億27百万円、マシナリー(農機具)が39.2%増の29億29百万円、おいくらが20.0%増の1億71百万だった。各分野とも売上が拡大し、利益面では大幅増収効果に加え、生産性向上策も寄与した。

 メディア事業は売上高が14.1%減の6億66百万円、利益が22.7%減の3億42百万円だった。Google社が実施した検索エンジンにおけるコアアルゴリズム変更の影響を受けて減収減益だったが、第3四半期以降は回復傾向となった。

 モバイル通信事業は売上高が19.2%増の73億98百万円、利益が0.5%増の4億56百万円だった。TVCMの試験的開始など認知度向上施策により、新規回線獲得が順調だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が41億06百万円で営業利益が1億54百万円の損失、第2四半期は売上高が44億20百万円で営業利益が1億13百万円、第3四半期は売上高が47億32百万円で営業利益が1億47百万円、第4四半期は売上高が57億50百万円で営業利益が1億92百万円だった。新規拠点開設などの先行投資をこなしながら営業損益が改善基調となった。

 25年6月期の連結業績予想は、売上高が24年6月期比21.0%増の230億円、営業利益が134.3%増の7億円、経常利益が6億50百万円(24年6月期は40百万円)、親会社株主帰属当期純利益が3億30百万円(同4億76百万円の損失)としている。デリバティブ評価損益については算定困難なため見込んでいない。

 販管費での拠点開設・移転費用1億07百万円や、特別損失での減損損失1億90百万円の発生を見込むが、生産性向上施策の進捗と24年4月以降の増員効果などにより大幅増収・大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、目先的な売りが一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。8月14日の終値は966円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS61円84銭で算出)は約16倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS164円84銭で算出)は約5.9倍、そして時価総額は約52億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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