■10社に1社が猛暑特需、小売業では3割が売り上げ増
2024年の記録的な猛暑を受け、帝国データバンクは企業の動向に関する緊急調査を実施した。その結果、11.4%の企業が猛暑により売り上げが伸びた商品・サービスがあると回答した。業界別では小売業が30.5%でトップとなり、全体を19.1ポイント上回った。
■エアコン・空調関連が最多、食品や熱中症対策グッズも好調
売り上げが伸びた具体的な商品・サービスでは、エアコンの販売や空調設備工事などの「エアコン・空調関連」が最多となった。次いで清涼飲料水やアイスクリームの包装資材などの「食品関連」も目立った。そのほか、空調服や冷却グッズなどの暑さ対策商品、太陽光発電や蓄電池などの省エネ・再エネ関連商品も好調だった。
企業の猛暑対策については、89.7%の企業が何らかの対策を実施していることが明らかになった。最も多かったのは「健康状態の把握」で47.9%、次いで「水分・塩分補給品や冷却商品の支給」(46.1%)、「クールビズの実践」(44.0%)と続いた。
一方で、「休憩時間の追加・延長」(12.3%)や「リモートワークの強化」(3.7%)など、働き方の変更に関する対策は低水準にとどまった。今後も猛暑が続く見通しの中、企業には売り上げ拡大の機会を活かすとともに、より厳格な猛暑対策が求められる。
【猛暑で売り上げが伸びた企業】
・小売業:エアコン、飲料、食品、衣料品、冷却グッズなど
・サービス業:オンライン教室、室内遊び、レジャー施設など
・その他:ガソリン、カーエアコン修理、太陽光発電など
【企業の猛暑対策】
・従業員の健康管理:水分補給、クールビズ、熱中症予防教育など
・職場環境の改善:扇風機設置、空調温度の見直しなど
・働き方の柔軟化:時差出勤、リモートワークなど
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)