■使途不明の企業借入金が2割超に、金融機関の貸出にも影響
東京商工リサーチが実施したアンケート調査によると、日本の企業の2割以上が、金融機関から借り入れたお金のうち、具体的な使い道のない「使途のない借入金」を抱えていることが明らかになった。これは、長らく続いた低金利政策の影響で、企業が過剰に資金調達を行ってきた結果と考えられる。
しかし、日銀が政策金利を引き上げ、金融機関も貸出金利を引き上げる動きを見せる中、この状況に変化が生じている。アンケート調査では、金利が0.5%上昇した場合、約6割の企業が「使途のない借入金」を返済する意向を示しました。
この結果は、低金利時代が終わり、企業が借入金の見直しを迫られていることを示唆している。特に、中小企業や「農・林・漁・鉱業」などの業種では、「使途のない借入金」の割合が高く、金利上昇の影響を受けやすいことがわかった。
一方、「飲食業」などでは、今後の不測の事態に備えて、当面は「使途のない借入金」を維持したいという企業も少なくなかった。
【使途のない借入金とは?】
「使途のない借入金」とは、企業が金融機関から借り入れたお金のうち、具体的な投資計画や事業拡大のための資金として使われていないお金のことである。低金利の環境下では、企業が将来のために資金を確保しておく目的で、あえて「使途のない借入金」を抱えるケースが多かったと考えられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)