■相互乗り入れする私鉄とともに一層の収益向上努力の期待
8月20日の東京株式市場では、東武鉄道<9001>(東証プライム)が午前10時にかけて3%高の2488.5円(60.5円高)まで上げ、小田急電鉄<9007>(東証プライム)は2%高の1591.0円(33.0円高)、東急<9005>(東証プライム)は1%高の1730.0円(24.5円高)など、鉄道株が全面高となっている。「東京メトロ、10月下旬にも上場へ、時価総額7000億円」(日経電子版8月19日午後)と伝えられ、株式市場関係者からは、東京メトロ(東京地下鉄株式会社)と相互乗り入れする私鉄会社とともに一層の収益向上努力が図られるのではないか、といった期待が出ている。
東京メトロの大株主は政府が53.4%、東京都が46.6%を保有する。相互乗り入れする鉄道は、地下鉄東西線とJR東日本<9020>(東証プライム)、日比谷線と東急<9005>(東証プライム)、東武鉄道<9001>(東証プライム)、千代田線と小田急電鉄<9007>(東証プライム)、東急東横線を経由して副都心線などに入る相鉄ホールディングス<9003>(東証プライム)など、首都圏の鉄道会社のほとんどが直接・間接の連携を行っている。
報道によると、「東京メトロの直近の24年4~6月期の連結決算は売上高が前年同期比6%増の1019億円、営業利益は同34%増の290億円、純利益は同38%増の180億円だった。旅客需要の増加で運輸収入が伸び、増収増益だった」(同)。株式上場後は国と東京都の保護下から独立するため、一段の収益力の強化に向けた動きが強まると期待されている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)