■ラピダスの次世代半導体工場建設が追い風
ロゴスホールディングス(ロゴスHD)<205A>(東証グロース)は、8月5日につけた2番底2040円からのリバウンド幅を拡大させている。同社株は、今年6月28日に新規株式公開(IPO)され、初決算として発表した5月期業績で前2024年5月期業績の大幅黒字転換に続き、今2025年5月期業績も大幅増益と予想し、配当も年間137円を予定していることを手掛かりに割安直近IPO株買いが増勢となった。決算発表時には2日連続して上場来高値3400円まで急伸したものの、全般相場の急落とともに2040円まで往って来いの調整となり、相場全般の落ち着きとともに仕切り直している。地元の北海道・千歳市でラピダスの次世代半導体工場が建設中で先端産業が集積しており、同社も、周辺エリアで土地造成を進めていることも、先行きの成長可能性として意識されている。
■営業拠点の新規出店が加速し今期引渡棟数は前期比19%増
今2025年5月期業績は、売り上げ317億6400万円(前期比17.2%増)、営業利益21億800万円(同51.6%増)、経常利益20億6000万円(同51.7%増)、純利益13億3700万円(同50.3%増)と大幅続伸が見込まれている。同社は、北海道・東北、北関東エリアで戸建注文住宅を手の届きやすい価格で提供するハウスビルダーで、その「移動時間をゼロにする家づくり」を実現するビジネスモデルでは、販売面では住宅総合展示場方式ではなくデジタルマーケティングにより成約率を高め、オペレーション面でも建築DX(デジタルトランスフォーメーション)により効率化し優位性を構築している。今期業績は、営業拠点を前期末の29拠点から今期上期に埼玉県ふじみ野市のほか福島県に2店舗、関東地方に1店舗、下期にも関東・東海・北陸地方でも複数店舗の新規出店を計画して営業力を強化し、引渡棟数が2023年5月期の937棟、2024年5月期の1037棟に対して前期比19.9%増の1244棟を予定し、価格改定効果もオンし今期業績の2ケタ増益要因となる。今期配当は、年間137円を予定している。
なお総投資額5兆円で千歳市に着工されているラピダスの次世代半導体工場は、周辺に先端産業が集積し、国内外から研究者や技術者が集結する米国カリフォルニア州の「シリコンバレー」に並び称される「北海道バレー」に発展し、人口増による住宅需要拡大や地価上昇も観測されている。同社は、千歳市で土地造成を進め2025年夏には大規模分譲地が完成予定で、北海道の厳しい自然環境に対応する高性能住宅の販売が、同社の成長加速要因になるとして期待されている。
■「半値戻しは全値戻し」でPER7倍、配当利回り5%の修正を加速
株価は、公開価格2290円と同値で初値をつけ1825円と下ぶれたが、5月期決算発表とともに2日連続のストップ高を交えて上場来高値3400円まで買い進まれる高人気となった。同高値後は、日経平均株価が過去最大の下落幅となる全般相場の急落に巻き込まれて2040円へ調整、2番底を形成した。同2番底からは足元で700円幅のリバンドをしており、上場来高値から2番底までの調整幅の半値戻しを達成した。PERは7.9倍と東証グロース市場の低PERランキングの第17位、配当利回りに至っては5.03%と高配当利回りランキングの第6位にランクされるなどなお割安である。相場格言の「半値戻しは全値戻し」通りに上場来高値奪回が加速しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)