【どう見るこの株】WOLVES HANDは続伸業績を手掛かりに急騰の再現に期待

■動物病院数増加とバイオ医薬品開発で業績拡大

 WOLVES HAND<194A>(東証グロース)は、今2025年6月期業績が、連続の増収増益と予想されていることを手掛かりに売られ過ぎとして割安修正買いが増勢となっている。ボラティリティ的にも、今年6月20日のIPO以来の2カ月余間で合計6回もストップ高を演じており、急騰の再現を期待して側面支援材料視されている。

■自社開発とM&A効果による病院増に診療単価の続伸もオン

 同社は、動物の一次診療(かかりつけ医による診療と処置)と二次医療(専門的な高度な設備を用いた検査や手術)を同時に提供する高度医療サービス事業向けの動物病院を展開しており、ペットのコンパニオンアニマル化と長寿命化が進み、ペット1頭当たりの医療費が増加し、ペット医療市場が3965億円に拡大するなか業績を伸ばしてきた。今2025年6月期業績は、売り上げ55億4100万円(前期比11.0%増)、営業利益8億9800万円(同8.6%増)、経常利益8億8800万円(同10.9%増)、純利益5億6100万円(同0.6%増)と続伸を見込んでいる。動物病院数は、前期に前々期比1病院増加の33病院、診療件数は同3.4%増の35万5000件と過去最高を更新し、診療単価も同8.6%増の12万6000円となり、今期も自社開発の病院数の増加や今年8月に埼玉県で動物病院を3病院展開しているそよかぜ(埼玉県さいたま市)を子会社化したことなどが寄与する。

 成長戦略としても、今年7月には相次いでTrans Chromosomics(鳥取県米子市)、第一三共<4568>(東証プライム)の2社と動物用バイオ医薬品開発の臨床開発プラットフォーム共同組成のコンソーシアム協定書を締結し、Cancer Precision Medicine(神奈川県川崎市)とはリキッドバイオプシーによるがんの早期発見に係る共同研究契約を締結した。

■PERは12倍と割安でまず上場来高値調整幅の半値戻し目指す

 株価は、IPO時の公開価格770円に対して875円で初値をつけ755円と下ぶれたものの、直近IPO株人気を高めて3日連続のストップ高を交えて上場来高値1641円まで急伸した。同高値後の調整安値811円からは、動物用バイオ医薬品開発のコンソーシアム協定書締結でストップ高、がん早期発見の共同研究契約締結でストップ高し、1278円までリバウンドしたものの、日経平均株価が過去最高の下落幅となる波乱相場の波及で上場来安値670円へ突っ込んだ。同安値からはそよかぜへのM&Aで1110円とストップ高したあと、IPO時につけた初値875円を固めるもみ合いを続けてきた。PERは12.5倍となお割安であり、急騰癖を発揮してまず上場来高値から同安値への調整幅の3分の1戻しの993円を上抜き、半値戻しの1155円、全値戻しを目指すなどリバウンド幅を拡大させよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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