大林組、国内初となるTLP型浮体式洋上風力発電、実海域で実証実験開始

■漁業に優しく、高効率!TLP型浮体が拓く洋上風力の未来

 大林組<1802>(東証プライム)は8月27日、国内で初めてTLP型浮体を用いた洋上風力発電施設の実証実験を青森県東通村沖で開始したと発表。この浮体式基礎構造は、緊張係留方式を採用しており、発電効率が高く、漁業への影響を抑える特長がある。1年間にわたる実波浪条件下での挙動観測を通じて、浮体の動揺安定性や耐久性を確認し、商用化に向けた技術開発を進める計画。

 実験に使用されるTLP型浮体は、低コストで大量生産が可能な鉄筋コンクリートと鋼製部材のハイブリッド構造で構築された。また、テンドンには低クリープ高強度合成繊維ロープを使用し、浮体の安定性とコスト効率を両立させる設計となっている。設置時の不安定さを克服するため、大型の専用船を用いずに安定した設置方法を確立している点も注目される。

 今後の展望として、同社は2030年以降のTLP型洋上風力発電施設の社会実装を目指し、技術開発をさらに進めていく予定。再生可能エネルギーの普及を通じて、カーボンニュートラル実現への貢献を目指すとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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