住友大阪セメント、CO2を利用した少花粉スギ苗木の育苗システム実証実験を開始

■バイオマス発電所の排ガスを活用し、カーボンニュートラルな苗木生産へ

 住友大阪セメント<5232>(東証プライム)は8月28日、栃木工場バイオマス発電所の排気ガス中CO2を利用した「BECCS育苗システム構築」の実証試験を開始したと発表。この取り組みは、少花粉スギ苗木の需要増加と木質チップの需給逼迫に対応するもの。オムニア・コンチェルトと共同で、高度な環境制御装置を備えた育苗ハウスを導入し、CO2濃度や温湿度を自動管理しながら、縦型水耕による苗木の最適成長環境を実現していく。

 同システムは、バイオマス発電所からの排ガスを浄化してCO2源として利用し、グリーン電力による特定波長のLEDで長日処理と休眠阻害を行う促成栽培を実施する。これにより、カーボンニュートラルかつ効率的な苗木生産システムの構築を目指していく。この取り組みは、セメント業界初のBECCS型育苗システムとして注目される。

 将来的には、栃木県や関連団体との連携のもと、成育苗木の植栽実証試験まで視野に入れている。また、林業振興や少花粉化施策への貢献、排ガスCO2以外の副産物の有効活用を含めた新事業体の創出を目指している。バイオマス発電所を核としたサーキュラーエコノミーの構築は、地域経済の発展や新たな雇用創出にもつながるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■内蔵インヒールで自然な足長効果、フォーマルからビジネスまで対応  青山商事<8219>(東証プラ…
  2. ■デュアル周波数対応で通信の安定性を確保  世界的なDX進展を背景に京セラ<6971>(東証プライ…
  3. ■リアルタイム文字起こしと自動要約で議事録作成を効率化  シャープ<6753>(東証プライム)は2…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■低PER・高配当利回り、不動産・銀行株が市場を牽引  3月の東京都区部消費者物価指数が前年比2.…
  2. ■新年度相場のサブテーマは「物価」?!  米国のトランプ大統領は、「壊し屋」と奉る以外にない。その…
  3. ■新年度相場の初動として注目される値上げ関連銘柄  4月予定の値上げは、原材料価格上昇や物流費増加…
  4. どう見るこの相場
    ■トランプ関税懸念も『総論弱気、各論強気』の市場展開  「トランプ・ディール(取引)」と「トランプ…
  5. ■名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地  今年4月1日以降、来年4月1日まで社名変更を予…
  6. ■あの銘柄が生まれ変わる!市場を揺るがす社名変更、次なる主役は?  「トランプ・トレード」が、「ト…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る