【株式評論家の視点】マルマエは前8月期大幅な増収増益、期待できる中期経営計画、配当性向35%と1部上場が目標

株式評論家の視点

マルマエ<6264>(東マ)は、半導体・FPD・太陽電池製造装置の真空パーツや各種分野の高精度部品を製造している。14日に新中期事業計画Evolution2018(計画期間2016年8月期~18年8月期)を発表した。売上高40億円、営業利益10億円、配当性向35%以上の株主還元の数値目標を掲げ、M&Aと従来事業のブラッシュUPを図る。期間中に東証1部への市場変更を目指すとしており、今後の展開に市場の関心が向かうと予想する。

前2015年8月期業績実績は、売上高21億2400万円(前の期比34.0%増)、営業利益4億5000万円(同68.3%増)、経常利益4億3500万円(同70.5%増)、純利益5億5900万円(同85.0%増)に着地。

今16年8月期業績予想は、売上高20億円(前期比5.9%減)、営業利益3億円(同33.4%減)、経常利益2億7000万円(同38.1%減)、純利益2億5000万円(同55.3%減)を見込む。年間配当は(第2四半期末7円、期末7円)を予定している。

前8月期は、半導体分野では市場環境が好調に加え、顧客内におけるシェア拡大と生産体制の強化で好調に推移。FPD分野では前半受注低迷も後半は需要拡大に伴い回復。その他分野では新型スマートフォンに関連した製造装置部品及びユニットのリピート受注が続くなど好調を維持し、前年を大きく上回り上ブレ着地した。

今8月期は、半導体分野において顧客内シェアの拡大を続け売上高を確保。また、FPD分野においては、当面市場環境の好調が見込まれることから、生産力と見合いながら堅調に推移すると予想している。その他分野については、光学分野における若干の消耗品需要を見込む。全般的には、特に半導体分野の拡大に注力しつつ、足元で爆発的に増加しているFPD分野の受注は協力企業を拡大することでこなす方針。

半導体分野やFPD分野の市場は変動の大きいことから、売上高と費用共に保守的な計画を立てている。なお、すでに計画の承認を受けている「平成26年度補正 予算地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金」と「平成26年度補正 ものづくり・商業・サービス 革新補助金」に関連した特別利益の発生が見込まれるものの、繰延税金資産の減少を見込むことから、減収減益を予想している。

株価は、7月22日につけた分割前の高値863円から9月7日に上場来の安値497円まで調整を挟んで10月1日に分割後の高値697円と上昇。10月16日安値501円と売り直されて往って来いとなっている。新中期事業計画では新規分野の拡大や生産力の確保などの目的でM&Aを積極的に進めるほか、R&D、従来事業のブラッシュUP、作業補助・介護ロボット、災害対応ロボットについて大学と共同研究を進めるなど新規事業を推し進める計画で、中長期的な成長が期待される。今期予想PER10倍台と割安感があるほか、配当利回りは2.7%と利回り妙味はソコソコある。中期的な配当性向の目途として、新中期事業計画の期間中に35%以上を目標としており、500円どころが下値として意識される可能性が高い。前期業績は上ブレ着地、今期予想は保守的と見られる上、東証1部への変更を目指しており、ここからの押し目は中長期で注目されそうだ。(株式評論家&アナリスト・信濃川)

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