■全産業でマイナス予測がプラスを上回る結果に
2024年11月に行われる米国大統領選挙において、ドナルド・トランプ氏が再選を果たした場合、日本企業への影響は否定的な見方が強いことがわかった。東京商工リサーチが行った調査によると、回答した企業の16.3%が「マイナス」の影響を予想し、「プラス」を予想する企業はわずか7.4%にとどまった。特に農林水産業や製造業でマイナス予測が高く、トランプ氏の保護主義的な政策への懸念が強く表れている。
■企業業績に地政学リスクの懸念
今回の調査では、次期米国大統領の政策で最も注目されるポイントとして、「通貨・為替政策の在り方」が60.3%とトップに立ち、次いで「中国との関係性」(50.7%)、「ロシアとの関係性」(47.3%)が続くことが明らかになった。為替や地政学リスクが日本企業の業績に大きな影響を与えることが示唆されている。
また、調査結果によれば、10産業すべてで「マイナス」が「プラス」を上回っており、特に農林水産業や製造業でその傾向が顕著であった。輸出産業を中心に、トランプ氏の保護主義政策による影響が懸念されている。
調査は、2024年8月1日から13日にかけて、インターネットを通じて実施され、5,956社からの有効回答が得られた。企業規模別では、大企業が中小企業を2ポイント上回る形で「マイナス」の影響を強く予想していることが明らかになった。
トランプ氏の再選が現実のものとなった場合、保護主義や貿易政策の変化が日本経済に与える影響は大きく、今後の選挙結果とそれに伴う政策の行方が注視されるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)