【編集著の視点】日本アイエスケイは2Q高進捗率業績を手掛かりに通期業績の上ぶれ期待高める

■今期業績は高利益進捗率、テクニカル指標も上昇トレンド転換

 日本アイ・エス・ケイ<7986>(東証スタンダード)は、前日2日に29円高の1534円と続伸して引け、今年8月5日に突っ込んだ年初来安値1085円からの底上げ幅を拡大させた。同安値へ売られた直後の8月9日に発表した今2024年12月期第2四半期(2024年1月~6月期、2Q)累計業績が、2ケタ増益で着地し期初予想の今12月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことから、前期業績と同様に業績の上ぶれを期待してバリュー株買いが増勢となった。テクニカル的にも5日移動平均線が、25日移動平均線と75日移動平均線を次々と下から上に抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を鮮明化させており、サポート材料視されている。

■高セキュリティ耐火金庫が続伸し宅配ロッカーも引き続き寄与

 同社の今期2Q業績は、売り上げ30億4000万円(前年同期比6.2%増)、営業利益3億9800万円(同12.9%増)、経常利益4億200万円(同12.2%増)、純利益2億6700万円(同10.5%増)と続伸して着地した。鋼製品関連事業は、最もセキュリティを強化した虹彩・顔認証耐火金庫の拡販などから売り上げが8億5700万円(同11.7%増)、営業利益が1億9400万円(同0.4%増)と続伸し、デンタル関連事業は売り上げ10億3000万円(同1.2%減)、営業利益1億5400万円(同7.8%減)と伸び悩んだが、書庫ロッカー事業では、宅配ボックスの需要拡大などで売り上げが10億3000万円(同9.2%増)、営業利益が1億2600万円(同34.2%増)と順調に推移したことなどが寄与した。

 今12月期通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ57億円(前期比0.3%増)、営業利益4億5000万円(同5.6%減)、経常利益5億5000万円(同0.7%減)、純利益3億5000万円(同6.7%減)と増収減益転換を見込んでいる。ただこの通期予想業績に対する今回の2Q累計業績の利益進捗率は、73~88%と目安の50%を上回っており通期業績の上ぶれ期待につながっている。同社は前期業績も、四半期決算発表のたびに高利益進捗率を示したにもかかわらず保守的に期初予想を据え置いてきたが、最終的に前期業績は期初予想を上ぶれて着地し、純利益は過去最高を更新しており、この再現も想定される。

■ミニGCの支援でPER7倍、PBR0.6倍の修正に弾みをつけ年初来高値奪回

 株価は、今期業績の減益転換予想で1339円と下ぶれ、自己株式取得発表で1565円とリバウンドし、今期第1四半期業績の続伸着地でも1539円と高値反応したものの、日経平均株価が過去最大の下落幅となる乱気流に巻き込まれて年初来安値1085円へ突っ込んだ。同安値からは今期2Q累計業績の高利益進捗率を手掛かりに底上げ、5日線が25日線、75日線を上抜くミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは7.1倍、PBRは0.63倍となお割安であり、年初来高値1730円奪回を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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