【どう見るこの株】フィットイージーは上場来高値に肉薄、業績上方修正・増配をテコに割り負け直近IPO株が増勢

どう見るこの株

■上方修正・増配発表が投資家心理を刺激

 フィットイージー<212A>(東証スタンダード)は、前日18日に114円高の1289円と急続伸して引け、取引時間中には1320円と買われ前々日17日につけた上場来高値1324円に肉薄した。東証スタンダード市場の値上り率ランキングでは第7位、売買代金ランキングでは第10位に各ランクインする高人気となった。同社株は、今年7月23日に新規株式公開(IPO)され、IPO後初決算となった今2024年10月期第3四半期(2023年11月~2024年7月期、3Q)業績開示時の9月13日に今10月期通期業績の上方修正と増配を発表しており、引き続きこれを手掛かりに割り負け直近IPO株買いが増勢となった。市場環境的にも、8月29日以来休止状態が続いていたIPO市場が、9月25日から再開され同市場への関心が高まっていることもフォローの材料となっている。

■新規出店数は前期末比40店増加し会員数は4万人増

 同社の今10月期業績は、IPO時予想より売り上げが4億3600万円、営業利益が1億300万円、経常利益が1億200万円、純利益が9700万円それぞれ引き上げられ、売り上げ65億円(前期比45.0%増)、営業利益15億9000万円(同42.8%増)、経常利益15億6000万円(同42.5%増)、純利益10億2700万円(同42.2%増)と見込み増収増益率を伸ばす。フィットネスクラブの新規出店数が計画を上回り、全店舗統一のキャンペーンなどの積極的なプロモーション活動により既存店舗の会員数が増加したことが要因となった。店舗数は、前10月期末の139店舗が、今期3Q末に168店舗と29店舗増加し、今期末にはさらに179店舗となる計画で、会員数も同じく10万人が13万2000人に増加、今期末には14万人になると見込んでいる。

 今期配当は、連結配当性向20%を目安とする配当性向に基づき普通配当をIPO時予想の年間12.63円から14円に増配し、さらに上場記念配当6円を上乗せして20円に増配する。

■公開価格比3割高もなおPER、配当利回りは相対的に割り負け上値追い支援

 株価は、公開価格990円でIPOされ、1213円で初値をつけ1275円まで買い進まれたが、直後に日経平均株価が過去最大の下落幅となる全般波乱相場の波及で上場来安値700円へ突っ込んだ。同安値後は、月次会員数・店舗数が増加する重要経営指標の発表でストップ高するなど1302円までリバウンド幅を拡大させ、業績上方修正・増配が追撃材料となって上場来高値追いに弾みをつけた。足元の株価は、公開価格に比べ30%高、上場来安値からは89%高となっているが、PERは19.0倍、配当利回りは1.55%と直近IPO株では相対的に割り負けており、一段の上値追いが続こう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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