日本化学産業、EV用電池リサイクルのパイロットプラント建設へ、投資額は31億円

■経済産業省「重要鉱物の供給確保計画」に認定

 日本化学産業<4094>(東証スタンダード)は9月26日、福島県いわき市に電気自動車(EV)の使用済み二次電池の金属リサイクルを目的としたパイロットプラントの建設を決定したと発表。2024年度中に着工し、2026年3月の完成を予定している。このプラントは、経済産業省の「重要鉱物の供給確保計画」に認定されており、EV向け電池の「クローズドループ・リサイクル」の実現を目指している。

 同社は2023年10月に策定した「新・中期経営計画」において、2030年に向けて「循環型社会の実現」と「脱炭素社会の構築」を目指すビジョンを掲げている。長年培ってきた金属リサイクルに必要な分離・精製技術と電池材料の研究開発の成果を活かし、EVの使用済み二次電池からニッケル、コバルト、リチウム等の金属を分離・精製し、再びEV向け電池材料として再利用することを可能にする。

 パイロットプラントは、いわき四倉中核工業団地に建設され、約31億円の投資額で、年間約60トンのブラックマス(回収後の電池を粉砕してできる金属混合粉体)を処理する能力を持つ。2026年4月の稼働開始を予定しており、この技術開発をベースに量産化、事業化を進め、さまざまなパートナーとの協働を通じて、サプライチェーン全体の環境負荷低減を目指している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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