【アナリスト水田雅展の銘柄診断】ティムコは年初来安値から反発、15年11月期収益改善基調で低PBRも評価材料

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ティムコ<7501>(JQS)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売事業を展開している。株価は10月6日と14日につけた年初来安値から反発している。15年11月期第3四半期累計(12月~8月)は営業赤字が縮小して収益改善基調だ。0.2倍近辺の低PBRも評価材料として出直り展開だろう。

■フィッシング用品とアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品とアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開し、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上に取り組んでいる。

 20年東京夏季五輪開催に向けて、登山・アウトドア・スポーツ関連の需要盛り上がりも期待される。

■15年11月期第3四半期累計は営業赤字縮小、収益改善基調

 10月9日に発表した今期(15年11月期)第3四半期累計(12月~8月)の非連結業績は、売上高が前年同期比3.2%減の20億68百万円、営業利益が12百万円の赤字(前年同期は19百万円の赤字)、経常利益が7百万円の赤字(同12百万円の赤字)、純利益が23百万円の赤字(同21百万円の赤字)だった。消費増税後の消費マインド低迷の長期化などで減収だったが、営業赤字は縮小した。

 セグメント別(全社費用等調整前)に見ると、フィッシング事業は売上高が同9.9%減の7億15百万円、営業利益が同14.7%減の93百万円だった。フライ用品は堅調だったが、ルアー用品が仕入計画の遅延や取引先小売店での販売低調で苦戦し、円安に伴う輸入商品の原価上昇や在庫品値下げ販売も影響した。

 アウトドア事業は、売上高が同0.0%増の13億31百万円、営業利益が同27.4%増の56百万円だった。富士登山ブームが沈静化したが、防虫素材「スコーロン」を使用した衣料品の販売強化で春夏物衣料が堅調だった。

 その他(不動産賃貸収入など)は売上高が同72.8%増の22百万円、営業利益が同79.3%増の16百万円だった。賃貸面積の増床が寄与した。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(12月~2月)6億31百万円、第2四半期(3月~5月)7億62百万円、第3四半期(6月~8月)6億75百万円、営業利益は第1四半期31百万円の赤字、第2四半期33百万円、第3四半期14百万円の赤字だった。

 通期の非連結業績予想は前回予想(7月8日に減額修正)を据え置いて売上高が前期比3.1%減の28億40百万円、営業利益が同46.5%増の37百万円、経常利益が同10.8%増の40百万円、純利益が同47.9%増の12百万円としている。配当予想(1月16日公表)は前期と同額の年間12円(期末一括)で予想配当性向は281.7%となる。

 規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化などで、着実な収益向上に努める方針としている。店舗オペレーション効率化や販管費圧縮などの効果も寄与する。会社予想を減額修正して増益幅が縮小するが、通期ベースでの収益改善基調が期待される。

■株価は年初来安値から反発

 株価の動きを見ると、悪地合いも影響して水準を切り下げたが、10月6日と14日の年初来安値540円から反発の動きを強めている。10月21日には570円まで上伸する場面があった。調整が一巡したようだ。

 10月21日の終値556円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS4円26銭で算出)は131倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.2%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS2350円51銭で算出)は0.2倍近辺である。なお時価総額は約19億円である。

 日足チャートで見ると一気に25日移動平均線を突破した。また週足チャートで見ても13週移動平均線突破の動きを強めている。14年の安値圏540円近辺に到達して下値支持線を確認した形だろう。15年11月期収益改善基調であり、0.2倍近辺の低PBRも評価材料として出直り展開だろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る