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【アナリスト水田雅展の銘柄診断】ティムコは年初来安値から反発、15年11月期収益改善基調で低PBRも評価材料
- 2015/10/22 06:43
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ティムコ<7501>(JQS)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売事業を展開している。株価は10月6日と14日につけた年初来安値から反発している。15年11月期第3四半期累計(12月~8月)は営業赤字が縮小して収益改善基調だ。0.2倍近辺の低PBRも評価材料として出直り展開だろう。
■フィッシング用品とアウトドア用品の企画・販売
フィッシング用品とアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開し、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上に取り組んでいる。
20年東京夏季五輪開催に向けて、登山・アウトドア・スポーツ関連の需要盛り上がりも期待される。
■15年11月期第3四半期累計は営業赤字縮小、収益改善基調
10月9日に発表した今期(15年11月期)第3四半期累計(12月~8月)の非連結業績は、売上高が前年同期比3.2%減の20億68百万円、営業利益が12百万円の赤字(前年同期は19百万円の赤字)、経常利益が7百万円の赤字(同12百万円の赤字)、純利益が23百万円の赤字(同21百万円の赤字)だった。消費増税後の消費マインド低迷の長期化などで減収だったが、営業赤字は縮小した。
セグメント別(全社費用等調整前)に見ると、フィッシング事業は売上高が同9.9%減の7億15百万円、営業利益が同14.7%減の93百万円だった。フライ用品は堅調だったが、ルアー用品が仕入計画の遅延や取引先小売店での販売低調で苦戦し、円安に伴う輸入商品の原価上昇や在庫品値下げ販売も影響した。
アウトドア事業は、売上高が同0.0%増の13億31百万円、営業利益が同27.4%増の56百万円だった。富士登山ブームが沈静化したが、防虫素材「スコーロン」を使用した衣料品の販売強化で春夏物衣料が堅調だった。
その他(不動産賃貸収入など)は売上高が同72.8%増の22百万円、営業利益が同79.3%増の16百万円だった。賃貸面積の増床が寄与した。
四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(12月~2月)6億31百万円、第2四半期(3月~5月)7億62百万円、第3四半期(6月~8月)6億75百万円、営業利益は第1四半期31百万円の赤字、第2四半期33百万円、第3四半期14百万円の赤字だった。
通期の非連結業績予想は前回予想(7月8日に減額修正)を据え置いて売上高が前期比3.1%減の28億40百万円、営業利益が同46.5%増の37百万円、経常利益が同10.8%増の40百万円、純利益が同47.9%増の12百万円としている。配当予想(1月16日公表)は前期と同額の年間12円(期末一括)で予想配当性向は281.7%となる。
規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化などで、着実な収益向上に努める方針としている。店舗オペレーション効率化や販管費圧縮などの効果も寄与する。会社予想を減額修正して増益幅が縮小するが、通期ベースでの収益改善基調が期待される。
■株価は年初来安値から反発
株価の動きを見ると、悪地合いも影響して水準を切り下げたが、10月6日と14日の年初来安値540円から反発の動きを強めている。10月21日には570円まで上伸する場面があった。調整が一巡したようだ。
10月21日の終値556円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS4円26銭で算出)は131倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.2%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS2350円51銭で算出)は0.2倍近辺である。なお時価総額は約19億円である。
日足チャートで見ると一気に25日移動平均線を突破した。また週足チャートで見ても13週移動平均線突破の動きを強めている。14年の安値圏540円近辺に到達して下値支持線を確認した形だろう。15年11月期収益改善基調であり、0.2倍近辺の低PBRも評価材料として出直り展開だろう。