■小規模店が大手チェーンとの競争で苦境に立つ、値上げの限界とコスト負担の増加
帝国データバンクの調査によると、2024年1月から9月にかけて、焼肉店の倒産が前年の2倍に増加し、過去最多の39件に達した。特に小規模な個人経営の店舗が経営破綻に追い込まれており、実際の市場退出数はさらに多いと見られる。倒産の主な要因として、輸入牛肉や野菜の価格高騰が挙げられる。円安による牛肉の価格上昇が続く中、2024年の牛肉原価は2020年比で1.7倍に達している。加えて、キャベツなどの野菜も同1.3倍に上昇し、店舗の経営を圧迫している。
価格高騰に対して、焼肉店の多くは価格転嫁が難しく、客離れを避けるために値上げができない状況が続いている。特に、大手チェーン店が大量仕入れや低コスト運営で価格を抑えられる一方、小規模店はコスト競争に耐え切れず、倒産が相次いでいる。また、電気・ガス代や人件費などの運営コストがさらに負担となり、2024年の年間倒産件数は50件を超える可能性も高まっている。
今後も輸入牛肉の価格が高止まりする見通しであり、コスト上昇に苦しむ中小零細店の経営環境はさらに厳しくなると予想される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)