【編集長の視点】ベステラは2Q好決算見直しに最新鋭計測機器導入が加わり直近IPO株買いが再燃し急反発
- 2015/10/23 09:45
- 編集長の視点
ベステラ<1433>(東マ)は、410円高の1万200円と急反発して始まり、今年10月21日につけた上場来高値1万19000円を意識する動きを強めている。今年9月9日に発表した今1月期第2四半期(2Q)累計業績が、今年9月2日のIPO(新規株式公開)時の予想を上ぶれ増益転換して着地し、受注高も過去最高となったことを見直し直近IPO株買いが再燃している。さらに10月に入って最新鋭の3Dレーザー計測機器を国内で初導入、新規事業の3D計測サービス事業の体制を強化することも、業績期待を高めてサポート材料視されている。
■2Q業績はIPO時予想を上ぶれ着地して増益転換し高利益進捗率を示す
同社の今期2Q累計業績は、利益が、IPO時予想を2700万円~3400万円上ぶれ前年同期比99.4%増収、3.9%営業増益、10.4%経常増益、15.8%純益増益となった。1972年の設立以来40年以上にわたり製鉄、電力、ガス、石油などの日本の基幹産業向けに鉄鋼構造物のプラント解体工事に特化する独自のビジネスモデルを展開し、特許を取得した工法も多数にのぼっており、2Q累計期末の受注工事高は33億1000万円、受注残高は31億1800万円と前年同期比でそれぞれ87.5%増、47.3%増と伸びて過去最高となるなど好調に推移しており、事業拡大に伴う人員・人件費増や上場費用増、3D計測機器・溶接ロボットの減価償却費負担などを吸収して上ぶれ着地した。
今1月期通期業績は、IPO時予想を据え置き売り上げ37億円(前期比20.9%増)、営業利益4億3100万円(同12.0%増)、経常利益4億3900万円(同12.9%増)、純利益2億5400万円(同15.5%増)と見込んでいる。ただ、2Q累計利益は、この通期業績に対して61~72%と目安の50%を上回る高利益進捗率を示しており、通期業績の上ぶれ期待も高めている。
一方、導入した3Dレーザー計測機器は、1秒間に100万点のスキャンスピードを誇り、スキャンエリアも水平で360度、鉛直で317度と広い最新鋭の3Dレーザースキャナ「TXー8」2台で、同時に3Dレーザー計測に関わる人員も増強し、高炉や煙突などの計測対象物の高さが100メートルを超える施設でドローンによる飛行・空撮が安全上許可されない製鉄所、発電所などをターゲットとしており、今年1月に参入した3D計測サービス事業の体制を強化する。
■25日線からストップ高を繰り返す急騰特性再発揮を期待し上値にチャレンジ
株価は、公開価格2500円でIPOされ3125円で初値をつけ、初値比ストップ高で引けたあと、4日連続のストップ高で7230円まで買い進まれ、今期2Q累計業績の上ぶれ着地でまたまたストップ高して9200円と買われ、5450円と大きく調整したが、3D計測機器導入をテコに1万11870円高値まで再騰した。同高値後は、25日移動平均線水準で下値を確認し最高値を取ってきている。ストップ高を繰り返すボラティリティの高さを手掛かりに直近IPO株買いを膨らませて、最高値抜けから上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)