【編集長の視点】ミアヘルサHDは続落も需給悪化要因を織り込み最高純益肉薄、優待拡充に見直し余地

 ミアヘルサホールディングス<7129>(東証スタンダード)は、前日9日に5円安の1095円と変わらずを含めて3営業日続落して引けた。同社株は、大株主のマイルストーン・キャピタル・マネジメントの保有割合が、今年9月9日、9月30日と相次いで低下したことが大量保有報告書で明らかになり、需給悪化懸念で1072円へ下ぶれた。ただ、今年1月の年初来安値1000円を前に下げ渋っており、むしろ流通株式の増加で東証スタンダード市場の上場基準の流通株式時価総額の達成に一役買う可能性もあり、下値買いも一考余地がある。V字回復が予想される今2025年3月期の純利益が、3期ぶりに過去最高に肉薄し優待制度が拡充されることも見直され、フォローの材料となりそうだ。

■名証メイン市場の重複上場も加わり流通株式時価総額クリアに弾み

 同社株の東証スタンダード市場の上場基準への適合状況は、今年3月末で株主数、流通株式数、流通株式比率は基準を達成しているが、流通株式時価総額は、8億5000万円と基準の10億円に達していない。マイルストーン・キャピタルの保有比率は、今年9月9日に8.57%から7.88%に低下し、さらに今回30日も6.62%に低下しており、流通株式数の増加から上場基準のクリアをサポートする見込みである。また今年8月29日には名証メイン市場との重複上場も実現しており、知名度・流動性向上も追撃材料となる。

 一方、今2025年3月期業績は、売り上げ229億円(前期比2.1%増)、営業利益4億9000万円(同24.0%増)、経常利益4億8000万円(同28.3%増)、純利益2億9000万円(前期は500万円の黒字)と予想され、純利益は、前期に閉鎖した不採算の介護・保育施設の減損損失2億5600万円の一巡もあってV字回復し、2022年3月期の過去最高(2億9100万円)に3期ぶりにあと100万円と肉薄する。前期の不採算事業所閉鎖に伴う経営の効率化のほか、医薬事業では調剤薬局での処方箋の増加、2023年3月に開設した「ホスピス対応型ホーム(定員61名)」や前期開設の認可保育園3事業所のフル寄与などが要因となる。配当は、年間30円配当を安定継続し、株主優待制度も、前期の年1回から2回に2倍に拡充し、100株~200株未満の株主にQUOカード2000円分を贈呈予定である。

■優待込みの利回りは4%を超えPERも9倍、PBRも0.8倍と割安

 株価は、前期業績の上方修正で1135円と買われ、今期業績の続伸予想に株主優待制度拡充が続いて年初来高値1246円へ上値を追ったが、マイルストーン・キャピタルの保有比率低下で1072円と下落し、売られ過ぎとして戻りを試しもみ合いを続けてきた。PERは9.5倍、PBRは0.83倍、配当利回りは2.73%、優待制度込みの総合利回りは4.56%と割り負けており、まず年初来高値1246円を奪回し、上場来高値1470円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る