【どう見るこの株】アイエックス・ナレッジは続落も2Q決算発表を先取りして割安DX関連株買いに一考余地

 アイエックス・ナレッジ<9753>(東証スタンダード)は、前日10日に15円安の985円と4営業日続落して引けた。東証スタンダード市場指数が、5.94ポイント安の1243.71と反落したことが響き同社株も持ち高調整の売り物に押された。ただ株価水準そのものは、約2カ月にわたる25日移動平均線を出没する保ち合いの下値限界にあり、11月11日に発表予定の今2025年3月期第2四半期(2024年4月~9月期、2Q)累計決算を先取り突っ込み買いも一考余地がありそうだ。今年8月に開示した今期第1四半期(2024年4月~6月期、1Q)業績でデジタルトランスフォーメーション(DX)開発案件が24%超と大きく伸びており、これを手掛かりに2Q累計業績へ期待を高め割安DX関連株買いが再燃する展開も想定されるからだ。

■DX案件の売り上げは24%増と好調で構成比も39%にアップ

 同社の今期1Q業績は、売り上げ54億5900万円(前年同期比0.8%減)、営業利益4億4600万円(同12.5%減)、経常利益4億9200万円(同10.8%減)、純利益3億3600万円(同9.5%減)と伸び悩んで着地した。前年同期に好調だったコンサルティングと開発の売り上げは、それぞれ20%減、2%減となったが、システム運用は社会・公共向けの基盤・環境構築案件が拡大して11%増となり、クラウドネイティブな開発への対応力を強化した効果からDX案件の売り上げは24%増と伸び、売上高比率も前年同期の31%から39%に高まり業績寄与を高めた。利益そのものは発生した不採算案件の損失を予め計上して減益となったが、今期通期予想業績に対する利益進捗率は、25%~27%と目安の25%をクリアしており、2Q累計決算への期待を高める。

 今期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ222億3100万円(前期比2.2%増)、営業利益17億5200万円(同5.9%増)、経常利益18億1700万円(同4.5%増)、純利益12億1600万円(同4.6%減)と見込んでいる。純利益は、前期に計上した賃上げ促進税制適用の税額控除引当金の一巡で小幅減益転換する。なお今期配当は、普通配当を5円増配し、誕生25周年記念配当5円を上乗せして年間40円(前期実績30円)へ増配を予定している。

■保ち合い下値限界からPER7倍、配当利回り4%の修正で年初来高値奪回へ再発進

 株価は、今期業績の続伸・大幅増配予想を手掛かりに年初来高値1232円まで買い進まれたが、日経平均株価が過去最大の下落幅となる今年8月の急落相場に巻き込まれて年初来安値867円へ突っ込み、売られ過ぎとして戻りを試し25日移動平均線を出没する保ち合いを続けてきた。PERは7.8倍、PBRは1.06倍、配当利回りは4.01%と割安であり、保ち合い下値限界から年初来高値1232円奪回へ再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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