NYダウに続いて中国ショック前水準奪回目指す展開、個別では決算で波乱も=犬丸正寛の相場展望
NYダウがチャイナショック直前の水準を奪回したことで、比較感から日経平均についてもショック直前水準の2万0500円前後を目指している展開とみられる。
ただ、その前に日経平均は8月急落直後に戻した1万9192円(8月29日=場中値)のフシを抜くことが必要である。23日(金)の場中高値は1万8915円からまだ300円近く上の水準であるから来週はこの点がポイントだろう。
来週には27~28日に米FOMCが控えている。足元のNYダウは、9月に続いて、「10月の利上げ見送り」で展開している。海外情勢等を勘案すれば、10月の利上げは見送りとみられ、次は、12月までFOMCがないことからNYダウはほぼ2カ月は利上げの束縛から解放されることになる。次は、11月6日発表の雇用統計(10月分)が材料視されるだろう。仮に、芳しくなければマーケットは12月も利上げ困難と読むだろうし、好い数字なら12月利上げの可能性を再び織込むものとみられる。
アメリカの景気に比べ日本の景気が芳しくないとはいえ、日経平均はNYダウに比べ大きく出遅れている。一時、今年8月上旬には日経平均がNYダウに対し3350ポイント上ザヤにあったものが、足元では、去る10月19日には990ポイントまで縮小している。
11月には日本の7~9月GDP発表が控えているが、4~6月に続いてマイナス(米国はプラス3.9%に上方修正)が予想されている。本来は株価には悪材料だが、アベノミクス第2ステージを実現、さらに、17年貼るの消費税10%を実現するためには、欧州が追加金融緩和を示唆しているのと同じように日銀の追加緩和が予想され株価の上昇材料となろう。
ただ、9月期決算の発表が本格化することは個々の銘柄でみれば波乱要因である。中国、アジアの経済停滞で業績に影響の出る銘柄は十分予想される。全体相場として強いものの、個別では決算で波乱となる可能性はありそうだ。