■金融引き締めで企業の資金調達環境悪化、借入金利上昇率58.8%に
東京商工リサーチ(TSR)は10月16日、「金融政策に関するアンケート」調査結果を発表した。7月31日に日本銀行が政策金利を0.25%引き上げたことを受け、10月1〜8日に実施された企業アンケートによると、過去1年間で借入金利が上昇したと回答した企業は46.3%に達した。この数値は、4月の前回調査から28.6ポイント上昇しており、企業の資金調達に大きな影響を与えていることがわかった。
さらに、メインバンクから今後半年間の金利上昇を伝えられた、もしくは可能性を示唆された企業は58.8%に達し、こちらも前回調査より28.0ポイントの急上昇を見せた。企業の多くが金利上昇を受け入れる姿勢を示しているが、0.5%の上昇となると、受け入れる割合は22.9%まで低下する一方で、他行への借入を検討する企業が増加している。
これらの調査結果から、金利の急激な上昇が設備投資や賃上げなどの企業活動に悪影響を及ぼす懸念が浮上している。また、稼ぐ力を十分に発揮できない金融機関をメインバンクとする企業は、競争力低下のリスクが高まっている。調査は全国5,385社を対象に行われ、資本金1億円以上の大企業と1億円未満の中小企業の両方が含まれている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)