■トランプ氏の政治手法がもたらす「トランプ・リスク」に要注意
「もしトラ」と呼ばれる状況が再び現実味を帯びてきた。11月5日に予定されている米国大統領選挙では、トランプ前大統領の支持率が再上昇し、当選がほぼ確実視される中、米国株式市場も好調だ。ダウ工業株30種平均は史上最高値を連日更新し、トランプ時代のトレンドである「トランプ・トレード」が再び注目を集めている。しかし、同時にトランプ氏の予測不能な政治手法が再び国際情勢に波乱を巻き起こすのではないかという不安も広がっている。ウクライナや台湾問題、中東の不安定化など、既存の地政学リスクがより深刻化する可能性があることから、「トランプ・リスク」も無視できない。
さらに、金先物価格が連日で最高値を更新し、安全資産としての需要が急増している。トランプ氏の復帰により、地政学的リスクが拡大することへの警戒が、投資家たちの金買いを促している。また、FRBやECBが利下げステージに突入していることも、金の魅力を相対的に高めている。これに加え、金利のつかない金が再評価され、安全資産としての地位を強固にしている状況だ。
もしトランプ氏が再び大統領に選ばれた場合、金価格がさらに一段高くなる可能性がある。特に、インドや中国の動向が大きな要因となる。インドでは金の輸入関税が緩和され、輸入が増加している。一方、中国では、トランプ氏の対中国関税引き上げや台湾有事など、地政学的緊張が一層高まり、金選好が加速する恐れがある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)