■少額取引で開業のハードルを下げる、新規参入を促す『HONYAL』開始
二大出版取次の一つ「トーハン」は、少額取次サービス『HONYAL』を通じて、小型書店の開業を支援する新たなプラットフォームを発表した。HONYALは、従来の書店開業時のハードルであった連帯保証人や初期在庫費用を緩和し、少額の取引でも対応可能なスキームを実現。これにより、新規の書店経営者や他業種の事業者が書籍販売を始めやすくなることが期待されている。
■トーハンの全国配送網で書店開業をサポート
HONYALは、トーハンが全国に展開する配送網と、約3000社以上の出版社からの商品調達力を活用することで、全国各地で書店開業を支援する。また、想定月商30万~100万円の小規模書店や、他業種との兼業を視野に入れたビジネスモデルを提供しており、全国的に書店の減少が続く中で新たな解決策として注目されている。
現在、日本全国では書店が減少傾向にあり、特に無書店自治体の増加が深刻な問題となっている。この背景には、書店開業時の資金や信用取引に伴う負担が大きく、新規参入が難しいという課題があった。しかし、トーハンのHONYALは、こうした状況を打開し、書店経営の「はじめにくさ」を解消する仕組みを提供することで、出版文化の維持に貢献しようとしている。
HONYALは、トーハンのプロジェクト「Book Boost Lab.」の研究成果をもとに開発された。今後、HONYALを通じて、小規模ながらも個性豊かな書店が全国に広がり、地域社会において本と人との新しいタッチポイントが増えることが期待されている。トーハンは、このサービスを通じて本屋を開きたい人々をサポートし、出版文化のさらなる発展を目指している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)