【Newsで一枚】ピックルスコーポレーションの宮本雅弘社長

■ピックルス、「ご飯のススム」キムチ絶好調、惣菜分野にも展開3カ年計画で業績さらに拡大、株価PER7倍台で割安

ピックルスコーポレーション<2925>(JQ・100株単位)は、全国的人気商品の、『ご飯がススム』ブランドでキムチシリーズを中心に浅漬けなどを製造販売する漬物業界の最大手。同社の宮本雅弘社長は(写真)は、アナリスト協会で多くのアナリストに対し現況と展望について説明した。

漬物業界は、現在、出荷額が約3180億円(食品新聞資料)の規模で年商100億円以上が3社で同社の約268億円、東海漬物の約170億円、秋元食品の105億円という状況。家族的経営が多く、後継者問題等から業界は寡占化の方向にある。

さらに、今後、同社が強化を狙っているのが業界推定規模が約8兆5136億円の惣菜マーケットだ。宮本雅弘社長は、「浅漬・キムチの漬物において、いっそう新商品開発と生産力強化及び販売地区拡大に取り組み、同時に惣菜分野を強化し中期経営計画の最終年度2018年2月期で売上330億円(15年2月期268億500万円)、営業利益13億円(10億5600万円)を目指している」という。

新商品では、国産梨果汁を使用した爽やかですっきりした甘みが特徴で、人気キャラクター「ふなっしー」とのコラボによる、『ご飯がススムふなっしーの梨キムチ』を開発販売するなfど、好調な販売という。販売エリアでは北海道から九州まで全国展開しているが、特に販売増の見込まれる関西地区、中国地区、四国地区、九州地区をいっそう強化する。生産力も強化、14年2月期には広島工場、15年2月期には札幌新工場をそれぞれ建設、今後も新工場建設に取り組むほか既存工場においても生産設備更新を行い併せて排水処理設備強化にも取り組んでいく。

2018年2月期の計画売上330億円の内、「浅漬・キムチ」が139億500万円(15年2月期125億9800万円)、「惣菜」が74億円(同51億2300万円)の計画。単身世帯の増加、高齢化、女性の社会進出等により、特に惣菜の伸びは大きい見通し。自社製造販売のほか仕入れ販売も増える見通しで18年2月期には製品比率が全体の66.3%、商品比率が33.7%となる見通し。

今年6月には、白菜など主要産地である茨城県の県西中央青果(株)を子会社化したことで同社の主要原料である国産野菜の調達方法の多様化、産地における生育状況及び取引価格動向など情報収集の強化などにより事業規模拡大と収益向上への寄与が見込まれる。また、5月には34万2000株の自己株式を武蔵野銀行、三菱商事フードテック、味の素、高速などへ第三者割当により売却、調達資金約4億5000万円は設備増強等に充当する。

2016年2月期・第2四半期は新製品寄与等で売上は前年同期比11.4%増の157億3600万円と好調だった。一方、利益面では天候不順による野菜価格高騰で営業利益は6.5%減の6億3500万円だった。通期(16年2月期)では野菜価格の落ち着きと新製品寄与で売上5.0%増の281億5000万円、営業利益14.3%増の12億700万円、純益39.3%増の7億100万円と増収増益の見通し。1株利益149.4円、配当年15円の予定。

株価は年初来高値が1411円(5月11日)、同安値が950円(2月2日)。とくに、8月のチャイナショックでは多くの銘柄が年初来安値を更新する中で同社は2月安値をキープした。足元では1090円前後で25日線(1064円)を上回ってモミ合っている。週足チャートにおいて26週線に近づいてきたことで値を固めているといえる。PER7倍強水準はかなりの割安水準、利回りも約1.4%と魅力的。

ただ、本格出直りには5月の高値から6カ月経過の日柄が欲しいところで、11月中は値を固め年末年始の需要期を手掛りに師走相場での活躍が予想されそうだ。1000円台は中期で注目できる水準といえる。

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