日本エム・ディ・エム、25年3月期2Q累計は計画を上回る増益、獲得症例数増加が収益を牽引

(決算速報)
 日本エム・ディ・エム<7600>(東証プライム)は10月30日に25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。計画を上回る増益で着地した。円安によって売上原価率が上昇し、人件費なども増加したが、日本国内、米国とも獲得症例数が増加し、増収効果で吸収した。そして通期増収増益予想を据え置いた。償還価格引き下げや円安による調達コストの上昇などがマイナス要因となるが、獲得症例数増加による増収効果や原価低減効果などで吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は安値圏でやや軟調だが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■25年3月期25年3月期2Q累計が計画を上回る増益で通期も増益予想

 25年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比7.9%増の118億17百万円、営業利益が8.3%増の6億69百万円、経常利益が5.1%増の6億64百万円、親会社株主帰属四半期(中間)純利益が38.0%増の4億96百万円だった。

 計画(売上高118億50百万円、営業利益5億50百万円、経常利益5億50百万円、純利益4億円)を上回る増益で着地した。円安によって売上原価率が上昇し、人件費なども増加したが、日本国内、米国とも獲得症例数が増加し、増収効果で吸収した。営業外収益では為替差益が22百万円減少、営業外費用では持分法投資損失が13百万円減少した。純利益については前期の特別損失に計上した和解関連費用75百万円の剥落も寄与して大幅増益だった。

 セグメント別(セグメント間取引・全社費用等調整前)に見ると、日本は売上高が3.5%増の63億41百万円で営業利益が45.3%減の2億55百万円、米国は売上高が10.4%増の73億36百万円で営業利益が4.0倍の3億64百万円だった。米国の外部顧客向け売上高はUSドルベースで5.3%増の35百万円USドル、円換算後で13.5%増の54億76百万円だった。米国売上の為替換算レートは1USドル=152.34円(前年同期は1USドル=141.31円)だった。

 医療機器類の品目別売上高(セグメント間取引相殺消去後、日本は販売促進費控除前、米国は円換算後)は、人工関節は日本が0.5%増の23億73百万円で米国が13.6%増の54億61百万円、骨接合材料(日本)は3.6%増の21億34百万円、脊椎固定器具は日本が6.9%増の17億49百万円でと米国が10.8%減の14百万円、その他(日本)は2.2%増の1億87百万円だった。自社製品比率は0.7ポイント上昇して80.9%となった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が60億52百万円で営業利益が3億66百万円、第2四半期は売上高が57億65百万円で営業利益が3億03百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比8.7%増の252億円、営業利益が5.9%増の18億50百万円、経常利益が0.4%増の18億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.2%増の13億円としている。想定為替レートは1USドル=150円としている。配当予想については24年3月期比1円増配の15円(期末一括)としている。連続増配予想で予想配当性向は30.4%となる。

 償還価格引き下げ、円安による調達コストの上昇などがマイナス要因となるが、獲得症例数増加による増収効果や原価低減効果などで吸収する見込みだ。第2四半期累計の進捗率は売上高47%、営業利益36%、経常利益36%、純利益38%とやや低水準の形だが、整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向があり、業績も下期の構成比が高い特性がある。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏でやや軟調だが、1倍割れの低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。10月30日の終値は635円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円39銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の15円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS968円74銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約168億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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