京写は25年3月期2Q累計小幅営業増益、通期大幅営業増益予想据え置き、ベトナム・中国における受注拡大が貢献

(決算速報)
 京写<6837>(東証スタンダード)は10月31日に25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。小幅増収・営業増益だった。国内では自動車向けプリント基板の受注回復が遅れたが、実装関連が好調に推移し、海外ではベトナムにおける北米向け自動車分野の受注拡大や、中国における高付加価値基板の増加やコスト削減が寄与した。そして通期の大幅営業増益予想を据え置いた。第2四半期累計の営業利益進捗率が順調であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は急伸して安値圏でのモミ合いから上放れの動きを強めている。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。

■25年3月期2Q累計小幅営業増益、通期大幅営業増益予想据え置き

 25年3月期第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比5.6%増の128億08百万円、営業利益が5.3%増の6億65百万円、経常利益が1.5%増の4億48百万円、親会社株主帰属四半期(中間)純利益が6.0%減の2億70百万円だった。

 小幅増収・営業増益だった。国内では自動車向けプリント基板の受注回復が遅れたが、実装関連が好調に推移し、海外ではベトナムにおける北米向け自動車分野の受注拡大や、中国における高付加価値基板の増加やコスト削減が寄与した。なお営業外費用での為替差損が16百万円増加した。

 地域別のセグメント業績(内部取引含む)は、日本の売上高が4.3%減の50億66百万円で営業利益が92百万円の損失(前年同期は1億17百万円の利益)、中国の売上高が12.1%増の70億88百万円で営業利益が38.9%増の5億81百万円、インドネシアの売上高が26.9%増の13億91百万円で営業利益が0百万円(同36百万円の損失)、メキシコの売上高が53.6%増の93百万円で営業利益が1百万円(同0百万円の損失)、ベトナムの売上高が27.8%増の22億36百万円で営業利益が44.7%増の2億円だった。

 製品別の売上高は、片面板が13.3%増の56億89百万円、両面板(多層板、銀スルーホール基板含む)が0.2%減の54億27百万円、実装関連が8.0%増の13億88百万円、その他が21.2%減の3億04百万円だった。用途別の売上高は、自動車関連が6.3%増の57億40百万円、家電製品が2.1%減の22億60百万円、事務機関連が26.1%増の16億82百万円、電子部品が0.2%増の8億04百万円、電気機器が9.9%増の3億79百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメント等)が15.1%減の5億55百万円、そして実装関連が8.0%増の13億88百万円だった。実装関連の用途別売上高構成比は産業機器が50.4%、航空機が15.1%、通信機器が4.5%、自動車が10.1%、電子部品が2.5%、その他が17.4%だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が62億46百万円で営業利益が3億59百万円、第2四半期は売上高が65億61百万円で営業利益が3億06百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比1.7%増の250億円、営業利益が20.3%増の13億円、経常利益が6.4%増の9億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.8%増の6億40百万円としている。配当予想については24年3月期比1円増配の11円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は24.8%となる。

 経常利益は24年3月期の営業外収益に計上した海外投資補助金収入2億12百万円が剥落するため小幅増益にとどまるが、生産ラインを増設したベトナム子会社において引き続き旺盛な自動車関連需要が期待されるほか、中国における高付加価値の金属基板の増加や国内における実装関連の堅調推移も寄与して大幅営業増益予想、そして連続増配予想としている。第2四半期累計の進捗率は売上高が51%、営業利益が51%、経常利益が46%、親会社株主帰属当期純利益が42%である。営業利益進捗率が順調であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価はモミ合い上放れ

 株価は急伸して安値圏でのモミ合いから上放れの動きを強めている。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、戻りを試す展開を期待したい。10月31日の終値は374円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円34銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の11円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS569円55銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約55億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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