東証、次世代売買システム「arrowhead4.0」稼働開始、取引情報三重化で障害対策を強化、富士通と共同開発

■取引終了時刻を30分延長、東証が新システムで市場機能を強化

 東京証券取引所と富士通<6702>(東証プライム)は11月5日、株式売買システム「arrowhead4.0」の運用を2024年11月5日から開始したと発表。2010年の稼働開始から4世代目となる同システムでは、終値形成の透明性向上を目的としたクロージング・オークションを導入。後場15時25分から5分間の注文受付後、15時30分に板寄せを行う。また、注文ごとに相場情報を配信するMarket by Order型サービスの提供や、機関投資家向けの一括注文取り消し機能を実装した。

 新システムでは、投資家の取引機会拡大のため、取引終了時刻を15時00分から15時30分に延長。レジリエンス強化策として、取引情報を三重化して複数サーバーで並行動作させることで、障害時の秒単位でのサーバー切り替えとデータ保全を実現した。富士通の最新サーバー「PRIMERGY RX2540 M6」462台を導入し、システムの処理性能と耐性を向上させている。

 システムの信頼性向上に向け、日本取引所グループのクラウド基盤上にログデータの蓄積・分析業務領域を分離して構築。取引機能との疎結合化により、市場運営の信頼性を高めた。また、東証と富士通による一体的な障害対応チームを設置し、影響範囲や原因特定の迅速化を図る。両社は今後も、市場環境の変化や多様化する投資家ニーズに対応し、東京市場の国際競争力とレジリエンスの向上に取り組むとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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