フライトソリューションズ、キャッシュレス決済端末の製造を国内工場に集約、2025年度から岩崎通信機で量産開始

■サプライチェーン改善で生産効率の向上と競争力を強化

 フライトソリューションズ<3753>(東証スタンダード)は11月6日、海外と国内の2拠点で分担して製造してきた決済装置「Incredist Trinity(インクレディスト・トリニティ)」を2025年度から岩崎通信機(本社:東京都杉並区)に集約し、量産を開始すると発表。

 コロナ禍以降、著しい人流の回復を見せるインバウンド需要の拡大は、国内におけるキャッシュレス化への移行を進める要因の一つとなっている。特に非接触型のタッチ決済は国内外で急速に普及しており、今後さらなる市場拡大が見込まれている。同社は、Incredist Trinityが銀聯カードをはじめとする各種タッチ決済や、自国通貨決済サービスのDCCに対応する決済端末として、高まりを見せるインバウンド需要に応える重要な商材と位置づけており、さらに大手カード会社様が本製品を販売推奨決済端末として取り扱いを開始することから、生産増強のため量産体制の強化を検討してきた。

 Incredist Trinityは、上部に搭載する「Incredist Premium *1(インクレディスト・プレミアム)」と、LTE通信や内臓バッテリーを搭載したコンピューターユニットとなる下部の機器を組み合わせた構造である。現行品の上部機器は海外で製造し、下部機器を製造している国内工場に運んでこれらの接続を行っていたが、Incredist Premiumの最新機となる「Incredist Premium lll(インクレディスト・プレミアム・スリー)」の岩崎通信機*2での国内製造開始(参照リリース:シリーズ累計20万台突破、マルチ決済装置の新モデル「Incredist Premium lll」誕生)に伴い、Incredist Trinityの製造も同社に集約して効率化を図る。このサプライチェーンの改善により物流コストの削減や工程管理の効率化、検品の厳格化による高品質の維持、市場への安定供給を実現する。

 Incredist Premium lllはすでに複数回のテスト量産を実施しており、2025年春から本格量産を開始する見込みである。この本格量産が立ち上がり次第、次のステップとしてIncredist Trinityの量産も開始していく。また、部品の調達に関しては引き続き大手電子部品商社である加賀電子株式会社と提携し、国内での調達困難な部品の確保に取り組む。

 今後も同社は、自社製品の決済装置の開発および安定供給に努め、加速する国内のキャッシュレス決済の普及拡大に貢献していくとしている。

*1:Incredist Premiumは現在オリジナルとIncredist Premium ll(インクレディスト・プレミアム・ツー)を展開しており、現行品のIncredist TrinityにはIncredist Premium llを搭載している。
*2:2024年4月3日のプレスリリース発表時は岩崎通信機の100%子会社である岩通マニファクチャリング株式会社で製造と記載しているが、同社は2024年10月1日付けで岩崎通信機と合併したため、今後の製造は岩崎通信機が担当する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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